昨年より、国際機関が世界経済と貿易の先行きについて度々警告している。国際通貨基金(IMF)は、「世界経済は足並み揃えて成長鈍化する状況に陥り、貿易紛争が世界経済に約7000億米ドルの損失をもたらす」と予想した。世界貿易機関(WTO)は、2019年の世界の物品貿易成長率予測を1.2%に大幅に下方修正した。経済協力開発機構(OECD)は、「持続的な貿易の緊張局面は世界経済の主要要素に影響し、貿易紛争は製造業に損害を与え、世界のバリューチェーンを破壊、深刻な不確実性を生み出す」とした。
中米経済貿易問題の安定化により、世界の経済貿易・投資活動が直面する不確実性がある程度解消された。
IMFのゲオルギエバ専務理事は、中米の第1段階の合意を歓迎。「この合意は中米両国と世界経済に安定要因を注入した」とし、「中米両国だけでなく、世界経済にプラスに働く」と指摘した。
「中米関係の安定は、世界全体に利益をもたらす」。独デュースブルク・エッセン大学東アジア研究院の李遠教授は新華社の取材に対して、「中米経済貿易交渉第1段階の合意は今後のために交渉を継続して局面を打開したもので、貿易紛争の最終的な解決に向けた基礎を築いた」と述べた。
シンガポール国立大学東アジア研究所の上席研究員である余虹氏は、「この措置は中米経済貿易関係の緊張緩和と中米関係全体の安定につながり、沈滞する世界経済にとって好材料となるうえ、世界の経済成長に対する各方面の期待と信頼感を高める」と語る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月19日