中米包括経済対話の中国側代表を務める劉鶴副総理(中共中央政治局委員)は米国現地時間15日、米国のトランプ大統領とホワイトハウスにて、中米の第1段階の経済貿易合意に正式に署名した。両国及び世界にとって重要な意義を持つ一歩を踏み出し、中米関係が正確な方向にむかい安定的に前進するよう促した。(筆者・刁大明 中国人民大学国家発展・戦略研究院研究員)
すでに署名されたこの第1段階の合意において、中米両国は貿易規模の拡大、市場参入条件の緩和、知的財産権の保護、二国間評価及び紛争解決メカニズムの構築などに関する重要な共通認識を形成した。これらの議題は両国が早急に共通認識を形成する必要がある議題であり、また両国の共通の利益、各自の経済発展及び国民生活の焦点とも合致する。
この合意の具体的な実施に伴い、両国の関連産業と一般消費者が確かな利益を手にする。双方は協力をさらに強化・拡大する動機を手にする。幸先の良いスタートが切れれば、半分成功したようなものだ。第1段階の合意の効果的な実施後、良好な模範効果が形成されれば、中米双方がより難易度の高い議題でより多くの共通認識を形成するため、和やかで良好な雰囲気を醸成することができる。
米国側が一方的に対中貿易摩擦を引き起こしてから、中国側は互恵・ウィンウィン、平等・尊重、対話・協議という建設的な手段による問題解決を終始堅持している。また米国側の二転三転する態度、信用なき発言を断固として否定した。中国側の努力があり、中米経済貿易協議が続けられ、最終的に段階的な成果を手にすることになった。中国側の戦略的な高み、責任ある態度、実務的かつ理性的なやり方は、当然ながら全世界の承認と評価を勝ち取った。紆余曲折を経たが、段階的な成果は共通認識と期待に合致した。これは中米両国が対話と協議によって初めて溝を埋め、最終的に互恵・ウィンウィンを実現できることを十分に証明した。これは否定も回避もできない事実だ。
2017年以降、特に米国側が2018年に中国を「戦略的ライバル」とする大国競争戦略を打ち出してから、中米関係は大きく変動した。両国の経済貿易などの議題をめぐる食い違いがかつてないほど大きくなった。この状況下、第1段階の合意は両国の経済貿易関係が正しい軌道に戻るよう促し、世界経済の安定と発展の促進にプラスのエネルギーを注ぎ込んだ。まさにそのため、中米双方はこの合意の実行、積極的な効果の発揮に取り組むべきだ。特に米国側は選挙期間中に特有の短絡的な発想を捨て、国益と世界の利益を立脚点とし、中国側と向き合い歩み寄り、合意を着実に実行するべきだ。こうすることで中米関係は初めて協調・協力・安定を基礎とし、協力とウィンウィンという正しい方向に着実に前進することができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月20日