中国の国務院扶貧開発指導小組辨公室の報道官で総合司の司長を兼務する蘇国霞氏は10日、貧困から脱却した人々が再び貧困層に転落する「返貧」について、新型コロナウイルスの感染拡大によって、こうした貧困層が大量に発生したということはないと述べた。国務院聯防聯控機制(新型コロナウイルス対策の共同防疫機構)が同日午後に開いた記者会見で明らかにした。
蘇司長は、貧困層への基本医療を保障することは貧困脱却の指標の1つだと説明。これまで行ってきた貧困支援活動で、農村部の貧困層向けに基本医療保険、重病保険、重病支援という3種類の医療保障制度を確立してきたと述べた。また、貧困地域に多い疾患や慢性疾患の患者が地元で治療を受けられるように、貧困地域の県・郷・村における3級医療機関の整備に力を入れてきたと説明した。
その上で、「現時点で感染拡大が貧困層に及ぼす影響は特に深刻ということはない。これは我々が長期にわたって医療保障制度の構築に取り組んできたことと関係がある」との認識を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月11日