劉元春氏は、中国政府が強大な経済調整力、十分な政策手段、広範な政策余地を有していることが、中国経済の強い自己修復能力につながっているとの見解を示した。現在、中国政府の負債比率は60%未満、財政赤字率は3%未満、各種貸出の加重平均金利は5%前後を維持しており、中国政府の安定しつつ前進を図る政策基調のもと、継続的に弾力的な「六穏(就業、金融、貿易、外資、投資、マインドの安定)」政策を講じることができるとみている。
また、現在の経済的な取り組みの重点は営業と生産を段階的に再開し、早期の経済サイクル常態化を図ることで、経済・社会の秩序が常態化する前に大規模な経済拡張計画を展開すべきではないと指摘。経済政策については、感染症流行の救済と経済サイクルシステムの回復促進に重点を置き、ボトムラインを管理する基本原則を堅持する必要があると話した。
感染症流行中に最も警戒すべきリスクは以下の六つ。一、経済成長率が低下するなかでは就業リスクが最も大きな灰色のサイとなる。大規模な失業問題が起こらなくても、就業情勢は緊迫している。二、物価の構造的な上昇トレンドがさらに明確になる可能性があり、「スタグフレーション」リスクに注意を要する。三、感染症流行の世界的な蔓延がもたらす世界経済の失速、金融市場の大幅変動のリスクを警戒する。四、不動産市場の不確定性を注視し、住宅価格の急速な下落を防ぐ。五、金融政策の緩和がもたらす資産バブルのリスクを警戒する。六、過度に積極的な財政政策がもたらす政府債務の拡大リスクを警戒する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月15日