メキシコのバイヤー、ベロニカ・ララウリさんはマスクをつけ、受付を済ませると、義鳥国際商貿城に入っていった。メキシコのクライアントのために会議宣伝用品を買い付けるのだという。義鳥在住3年になる彼女はここのことを熟知している。
浙江省中部に位置する義鳥市は、世界最大の雑貨卸売り市場で、毎年55万人以上の外国人バイヤーが買い付けに訪れ、100以上の国や地域から1万5000人以上の外国人バイヤーが常駐する。新型コロナウイルスの影響で、義鳥国際商貿城を代表とする市内のマーケットは一時休業を余儀なくされたが、一カ月前、感染状況の好転にともない、義鳥国際商貿城は営業を再開した。
ララウリさんはいち早くこのマーケットに戻ってきた外国人バイヤーの一人で、営業再開日の2月18日、数万人の店舗経営者や国内外のバイヤーとともにマーケットに戻ってきた。
「営業再開の知らせは本当に嬉しかった。1月で注文はストップしていた。すぐに写真や動画を撮ってクライアントに送り、中国での感染が抑制されてきたことを伝えたい。すぐに商売は元に戻る」と彼女は自信をみせる。
彼女は5時間かけてマーケットの中を見て回った。マーケット内では厳重な感染対策が行われており、彼女の不安は消え去った。清掃員は消毒液を入れて何度も床拭き、各店舗は一度に一人のバイヤーだけ接客し、店内の人数は3人以下に制限されていた。
「世界の日用消費財貿易にとって重要な一環である義鳥マーケットの営業再開は、風向計的な意義がある。マーケット内では厳重に消毒や体温測定を行い、世界各国のバイヤーに安心して義鳥での経営活動を再開してもらいたい」と浙江中国小商品城集団の張奇副総経理は話す。
同社の統計によると、営業再開後1カ月足らずで、義鳥国際商貿城では92%以上の店が開店。入場者は3月17日現在、3万人のバイヤーを含む10万2700人になった。