中国伝統文化と中国元素(中国的要素)が科学技術と創造性の翼となって中国文化の「海外進出」を加速し、その影響力と評判が高まっている。
2019年は中国産の文化商品が数多く輸出された。「流浪地球(流転の地球)」「陳情令」などのオリジナル文学作品をもとに制作された映画やドラマが海外で人気を博したほか、ビデオブロガーの李子柒氏が紹介する中国の田園式「スローライフ」が世界中からフォロワーを集めた。伝統文化と中国的要素が科学技術と創造性の翼となって中国文化の「海外進出」を加速し、その影響力と評判が高まっている。
モバイルインターネット時代では、文化を跨いで伝わる「IP(知的所有権)化」の特徴がますます顕著となっている。強い個性や固有トラフィックなどの特質を持つ文化的アイコンが、異なる文化商品をつなぐようになった。インターネット企業の一部は海外で、映画・テレビ、アニメ・漫画、ゲームなどの多様な形式で文化商品の普及を進めており、文化的アイコンの影響力を広げている。調査によると、ネット文学は文化の海外進出において最大のIP供給源となっている。「新文創(IP確立を中心とする文化創造)」というコンセプトが打ち出され、文化的アイコンの構築を目指す生産方式が、海外に進出する文化商品の大きな特徴となった。
民族のものは世界のものでもある。中国的要素は文化の海外進出で欠かせない「遺伝子」だ。5000年を超える歴史のなかで、中華民族は幅広く奥深い文化を創造した。海外進出する文芸作品では「世界人気ドラマトップ50」にランクインする時代劇のほか、最近の若者の生活を描いた都市ドラマも人気が高い。こうした斬新なテーマと優れたコンテンツの文化商品は、中国的要素を表現しているがために外国人が理解しづらいということはなく、むしろグローバルな視野を確保しながら中国のストーリーを重視しているため、各国の視聴者のなかでも特に若年層の支持を受けている。
この流れのなかで、多くのインターネット企業とプラットフォームが大きな役割を果たしている。市場、政策、技術などを活かして関連企業は広範な影響力を持つ中国の文化的アイコンを確立し、自社の普及チャネルを開拓し、投資、ビッグデータ分析、運営システム化を通じて文化商品の実力を高めた。「船を借りて海外に出る」状態から「船を造って海外に出る」ようになり、プラットフォームは特定の市場を細かく開拓して需要を掘り起こし、その需要を満たすことが可能となった。こうして海外の固定ファンが育ち、文化市場が一層成熟したことで、中国のストーリーを伝えるチャンネルが広がっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年3月22日