米国経済、感染症流行が続けば衰退の確率高い

中国網日本語版  |  2020-03-23

米国経済、感染症流行が続けば衰退の確率高い。

タグ:衰退 米国経済

発信時間:2020-03-23 15:37:04 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 これが、FRBが大幅利下げと量的緩和策を実施すると通常は大口商品価格と株価は上昇するが、今回は国際原油価格と米株の暴落を阻止できなかった理由であっる。感染症の拡散が消費と生産、および実体活動に悪影響を及ぼすことが確実となった。このような背景下で、株式市場の流動性はいくつかの情報によって大幅に変動し、金融政策の効力は消滅する。


 市場のパニック感情が株価の大暴落を引き起こしただけでなく、米株式市場そのもにに深刻なバブルが存在することも重要な要素の1つである。金融危機による戦後最悪の不況から脱した米国経済は2010年に回復し、米株も上昇し続け、史上最高値を記録した。その後、トランプ大統領の大幅利下げによる経済刺激策の効果は徐々に弱まり、2019年に米国経済の成長率は大幅に縮小し、米株は調整時期に入った。しかし、FRBはトランプ氏の圧力のもと、2019年から利下げを行い、株式市場を高水準に維持してきた。金融緩和策の刺激のもと、米国経済はトランプ氏が望むような伸びとはならなかったが、株式市場は上昇し続け、今年2月中旬に過去最高値を更新し、通年で30%以上の伸びとなった。米株式市場の平均株価収益率(PER)は30倍を超え、バブルは明らかに存在した。当然、新型コロナウイルス感染症が流行していなければ、米株のバブル崩壊も別の形で現れ、サブプライムローン危機による2008年の金融危機と同じになっていた可能性がある。


 新型コロナウイルス感染症に比較的有効に対応できるのは、やはり財政政策だと考えられる。トランプ政権は1兆ドルの経済刺激を計画しており、この計画が実行されれば、米国経済の後退時期を遅らせることができるかもしれない。


 しかし、新型コロナウイルス感染症の米国経済への影響にこれらの政策だけで対応するのは難しい。米国は消費牽引型の経済圏で、2019年の個人消費の対GDP寄与度は1.76ポイント、経済成長率への寄与度は75%に達した。感染症流行は民衆の外出を減らし、各種の交通、レジャー、飲食、ビジネス活動による消費は縮小し、経済損失はきわめて深刻になる見通し。つまり、米国経済の困難からの脱却は、感染症の抑制にかかっている。トランプ政権の感染症対策が遅いまたは適切でなければ、米国経済が衰退の泥沼にはまる確率は高くなる。


(文:上海国際金融・経済研究院特任研究員、上海国際経済交流センター副理事長)



「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年3月23日


<  1  2  


Twitter Facebook を加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集     中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで