小売大手のコストコが上海に中国本土で2軒目となる店舗の開設を発表したのに続き、スターバックス、Sam's CLUB(山姆会員商店)、ローソンなども相次ぎ中国で投資を拡大する計画を明らかにしている。外資系小売大手はなぜ、中国の消費市場で継続的に事業を拡大しているのだろうか。
感染症流行でも投資マインドは衰えず
3月31日に上海で集中的に締結された重大プロジェクトのうち外資プロジェクトの総投資額は160億米ドルを超えた。そこには、小売大手ウォルマート傘下の会員制ホールセールスーパーであるSam's
CLUBや、フランチャイズ経営のコンビニチェーンで有名なローソンも含まれ、特にローソンの日本本社は2908万米ドルを増資して中国での投資拡大を決めている。
Sam' CLUB中国業務総裁の文安徳氏は、中国初のSam's
CLUBフラッグシップ店が2021年に浦東で開業し、中国で運営される店舗としては最大規模の建物になると紹介。「2022年末に中国で開業もしくは建設中のSam's
CLUBは40-50店となる見通しだ。Sam'
CLUBが急速に事業を拡大するなか、われわれは新しいフラッグシップ店を開設することに興奮しており、会員と中国市場の期待に応えたい」と話した。
会員制ホールセールチェーンスーパーの米コストコは、中国本土で2軒目となる店舗の開設に上海で着手し、総投資額が約26億元に上る見込みと発表。スターバックスも、江蘇省崑山市で1億2900万米ドルを投じて、グリーン環境保護対策を講じたコーヒー焙煎工場を建設する計画を明らかにしている。
Sam's
CLUB浦東店から約40㎞ほど離れた上海浦西にあるコストコ閔行店では来客が途切れることはない。3月30日のような平日であっても、正午から午後1時までの間に800人超のお客が店舗を出入りした。店内の従業員は、お客が買い物を終えると速やかに退店を誘導すると共に、レジを全て開けて順番待ちを防ぎ、店内にいるお客の人数を1000人前後に保っていた。