米『ウォール・ストリート・ジャーナル』は北京時間4月27日に発表した評論文で、中国のワクチン開発が急速に進むなか、「米国は新型コロナウイルスのワクチン開発競争で勝たなければならない」との見解を明らかにした。
ワクチンは、新型コロナウイルスに打ち勝つための最も強力な科学技術の武器だ。世界各国は実際に分秒を争ってワクチン開発を進めている。
米国は3月16日、核酸ワクチンの臨床試験を開始すると発表した。同日には、中国工程院院士の陳薇氏が率いる軍事医薬研究院チームも、開発したアデノウイルスベクターワクチンの臨床試験を行う許可を得て、1人目となるボランティアの体内に注射を打った。3月末にイスラエルは、新型コロナウイルスのワクチン開発が進み、間もなく動物実験を行うと発表。4月初めには、米国が貼付式の新型コロナウイルスワクチンの動物実験を行った。4月27日には中国で、第4バージョンのワクチンが翌28日から臨床試験を開始することが許可されている。
各国のワクチン開発が急速に進んでいることに評論文の筆者は危機感を覚えたのだろう。米国食品医薬品局(FDA)は、実験室でウイルス評価と動物モデル試験を行うと同時に、企業と協力して早期に安全性テストを行い、時間を節約する必要があると指摘。評論文はさらに、最初にワクチンを開発した国には、非常に大きな経済効果がもたらされ、その国の経済と世界に対する影響力の回復につながるとの見方を示している。
この「「ワクチンを開発した国が天下を取る」という発想で書かれた文章は次元が低い。
今や新型コロナウイルスは世界に蔓延し、一つの国もしくは地域の問題ではなくなった。世界各国は一致団結して早期のワクチン開発を目指し、世界の隅々まで恩恵をもたらす必要があり、ワクチン開発を国家間の競争や経済回復と結びつけるべきではない。