中国人民銀行(中央銀行)と国家外貨管理局は7日、適格海外機関投資家(QFII)と人民元適格海外機関投資家(RQFII)の投資枠を撤廃する方針を明らかにした。外国人投資家の中国金融市場への参加を一段と促進する狙い。
人民銀と外貨管理局は新たな規定『海外機関投資家の国内証券先物投資資金の管理規定』を発表し、中国国内における証券先物投資の資金管理要件を明確化・簡素化するとした。
QFIIとRQFIIの国内証券への投資上限枠に関する管理要件を撤廃し、適格投資家による国境をまたぐ資金の流出入(海外送金や本国還流)、両替を登録制にする。人民元と外貨を一元管理し、適格投資家が送金時の資金の通貨と時期に選択できるようにする。
また、適格投資家の国内証券の投資収益を海外送金する際の手続きを大幅に簡素化する。これまでは中国の公認会計士が発行する投資収益特別監査報告書や税務届出表などの書類の提出を義務付けていたが、これを撤廃し、代わりに納税証明書の提出で済むこととする。
このほか、委託管理人の人数制限を撤廃し、適格投資家1人に対して複数の国内委託人を認めるとともに、主要報告人制度を設ける。適格投資家の中国国内における証券投資の為替リスクと投資リスクに関する管理要件を改善する。人民銀と外貨管理局が事中・事後監督管理を強化する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年5月8日