税関総署が6月7日に公表したデータによると、今年1~5月の中国の貨物貿易の輸出入額は11兆5400億元で前年同期比4.9%減少し、減少幅は1~4月と横ばいとなった。うち輸出額は6兆2000億元で4.7%減、輸入額は5兆3400億元で5.2%減、貿易黒字は8598億1000万元で1.2%減。
5月の中国の輸出入額は2兆4700億元で前年同期比4.9%減、うち輸出額は1兆4600億元で1.4%増、輸入額は1兆100億元で12.7%減、貿易黒字は4427億5000万元で60.6%増。米ドルで換算すると、5月の中国の輸出入額は3507億ドルで9.3%減、輸出額は2068億1000万ドルで3.3%減、輸入額は1438億9000万ドルで16.7%減、貿易黒字は629億3000万ドルで52.9%増。
東方金誠のチーフマクロアナリストの王青氏は『証券日報』の取材に対し、5月の貿易額が米ドル換算で前年同期比3.3%減少(人民元換算は1.4%増、主に人民元為替変動による差)し、輸出額がマイナス成長となったのは、近頃の世界経済の複雑な情勢と一致していると述べた。
海外で3月から感染症がまん延し、対中輸出への影響が現れ始め、海外注文の情勢と輸出通関データの間に「時差」が存在することが実証された。
税関総署のデータによると、貿易パートナーについてはASEANが中国最大の貿易相手の地位を維持している。1~5月の中国とASEANの貿易額は1兆7000億元で前年同期比4.2%増加し、中国の貿易総額の14.7%を占めた。そのほか、EU、米国、日本との貿易額は前年同期を下回った。
貿易主体で見ると、民間企業が依然として粘り強さをみせている。1~5月の民間企業の輸出入額は5兆1100億元で、中国の貿易総額の44.3%を占め、前年同期比で2.9ポイント上昇した。
中国国際経済交流センター研究部の劉向東副部長は、「今後、貿易の安定は需給両サイドから力を入れる必要がある。供給サイドについては、雇用と生産能力を安定させ、特に外資が参与するサプライチェーンを安定させると同時に、輸出戻し税の引き上げや減税を行い、すべての外資系企業に恩恵を与える必要がある。需要サイドについては、中国市場の潜在的な優位性を生かし、良質の貿易を拡大し、連携して国際物流ルートをスムーズにし、内部循環によって外部の大循環を促す必要がある」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月8日