中国農業科学院が先般発表した「中国農業産業発展報告2020」によると、工業やサービス業に比べ、農業は新型コロナウイルスの感染流行による直接的な影響が小さく、輸送、飲食、紡績など関連産業の間接的な影響を受けるのみで、その「バラスト」作用を大きく発揮した。
報告によると、中国の農業-食物システムの国際市場に対する依存度は他産業に比べ小さく、総生産に占める輸出の割合と総需要に占める輸入の割合はいずれも5%を下回る。そのため、貿易が完全に回復しなくても、農業-食物システムの就業は基本的にほぼ正常に戻る見通しだ。農業-食物システムには農業、食品加工、その他産業チェーン関連の中間投入品、貯蔵・輸送・販売、飲食などが含まれる。
また、今年の全国食糧生産量は6億7000万トンに上る見込みで、これは通年の経済・社会発展目標を力強く支えることが可能な水準となる。
中国農業科学院副院長の梅旭栄氏は報告発表会で、農業が基礎産業として乗数効果を持ち、農業生産高が1単位増えるごとに国内総生産(GDP)が3.4単位増えるとの試算を明らかにした。農業の不足分野を早急に補い、農業-食物システムの中小企業、特に飲食など感染症の影響が大きい業種のイノベーションを支えることは、経済成長と農民増収の促進につながるとの見解を示している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月13日