中国国家統計局が15日に発表した統計によると、中国の2020年5月の一定規模以上工業企業の付加価値額は前年同月比で4.4%増加、伸び率は前月より0.5ポイント拡大した。また、サービス業生産指数の伸びはプラス成長に転じ、主要経済指標は持続的に改善、経済活動は回復傾向が続いている。海外の専門家とビジネス関係者はこれについて、「新型コロナ感染症は中国経済に大きな試練をもたらしたが、中国経済の強靭性には大きな潜在力があり、安定的に回復し続ける」との見通しを示した。
英オックスフォード経済研究所アジア経済研究主管のLouis Kuijs氏は、「5月の中国一定規模以上工業企業の付加価値額の伸びは一段と加速し、投資の伸びの改善も鮮明となり、家計消費の状況も大幅に改善した。これらの数値から、中国経済はすでに回復軌道に乗ったことがわかる」と指摘した。
Louis Kuijs氏は、今年の「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)の中国政府活動報告で提起された財政・金融政策には重要な意義があるとみている。報告によると、今年の赤字比率は3.6%以上で計画されており、財政赤字の規模は前年比で1兆元増加する。報告はまた、預金準備率引下げや利下げ・再貸出しなどのツールを総合的に運用し、広義のマネーサプライ(M2)と社会融資規模の伸びが昨年を顕著に上回るように誘導すべきと提起した。
韓国NH投資証券の朴仁金アナリストは、「中国政府の一連の刺激策により、中国経済は回復軌道に乗った。中国の最新の経済統計は、工業生産が徐々に回復し、投資状況が予想を上回っていることを示す。消費の面から見ると、日用品と自動車の需要が急速に回復している」と述べた。
朴仁金アナリストは、「中国政府には依然としてマクロ調整の余地があり、経済の実質的な発展情勢に応じた措置を講じるはずだ」としている。