海外メディアによると、新興国市場ファンドは以前から投資家に人気で、ポートフォリオに組み込まれてきた。同市場ファンドを15%の割合でポートフォリオを組むよう提案するファイナンシャル・アドバイザーもいるほどだという。中国は近年、世界経済における重要性が高まり、多くの新興国市場向け投資資金において重要な地位を占めるようになった。実際、中国市場ファンドはこうした種類の投資のうち3分の1以上を占めるまでになっている。
スペインの経済紙「エル・エコノミスタ」電子版は18日、今や中国の重要性を考慮せずして新興国市場ファンド向けの投資を理解することは不可能だと報じた。ドイツのアリアンツ・グループ傘下の資産運用会社アリアンツ・グローバル・インベスターズは、新型コロナウイルス感染症パンデミックが世界経済にどのような影響を及ぼすかは依然として不透明だが、中国経済は今年、主要国で唯一1%のプラス成長を確保する見込みだと指摘。中国株式市場は政府の景気刺激策や経済活動支援を受けて、すでに10%以上上昇していると述べた。
実際に、景気回復により楽観的な見通しが広がる中、新興国市場は再び原材料需要の回復で恩恵を受けるだろう。アジア諸国に利をもたらし続ける要因はこれ以外にもある。この半年間、新型コロナの感染拡大が続き、市場は調整局面に入ったが、アジア諸国は過去の感染症流行で豊富な経験を積んできた。仏パリに本社を置く欧州最大の資産運用会社アムンディ・アセット・マネジメントは、世界の他の国・地域に比べ、この公衆衛生上の緊急事態からいち早く脱したアジア諸国は新型コロナ時代の勝者だと指摘した。
同社のアナリストは、新型コロナ危機は新興国市場間の格差を拡大させると予測。すなわち、高い回復力を備えた国と、外部要因に対し脆弱で、負債率が高く、財政力が限られる国との格差が広がるが、中国ひいてはアジア諸国はこの危機から脱することができるとの見方を示した。
同紙は、新型コロナの感染が拡大する前からすでに、これらの市場に間接的に有利になる要因があったと指摘。先進国が経済成長を維持するために実施する拡張的な金融政策や、アジア諸国が持つ大きな潜在成長力、国債の高い投資収益率などを挙げた。
同紙によると、スウェーデンに本拠を持つ北欧最大の資産運用会社ノルディア・アセット・マネジメントも同じくアジア市場を有望視している。同社のアナリストは、中国経済は他の国より早く回復し、向こう1~3カ月以内に他のアジア諸国・地域に波及すると予測。中国は中産階級の台頭と、検索エンジンサービス企業からマイクロチップメーカーに至るまでの技術革新分野の振興から恩恵を受けるだろうとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月26日