7年に渡り202件の改革試行経験を全国に広めた自由貿易試験区は、中国の改革開放に絶えず新たな原動力を注ぎ、模索のペースアップを続けている。経済参考報の調べによると、各地は現在まで一連の新たな制度革新リストを発表している。そのうち金融分野の開放のさらなる掘り下げ、越境貿易投資資金の流動の利便化、政府の管理方法の革新などが重要な突破口になっている。同時に関連部門はより多くの措置を検討し、自由貿易試験区、自由貿易港の制度改革への支持を拡大する。これらの模索は中国の改革開放を新たな段階に力強く押し進め、新情勢を迎えた中国が国際協力及び競争に参加するための新たな優位性を育むと分析されている。
記者の調べによると、年の半ばとなる現在まで、浙江省、陝西省、重慶市、山東省、遼寧省、海南省などの多くの自由貿易試験区が制度革新措置を集中的に打ち出し、経済発展促進の取り組みを強化している。例えば浙江自由貿易試験区は油ガス全産業チェーン開放発展目標の推進をめぐり、石油貿易国際戦略的投資家の導入、大口商品越境貿易金融サービスの強化といった12の面で革新と模索を展開する。人民元建て越境決済を例とすると、浙江自由貿易試験区に入居している石油貿易企業の国際事業決済の手続きは現在、契約書、インボイス、税関申告書などの証憑を提出する必要がなく、手続きにかかる時間も従来の2-3日からその場で即日中に終わるようになった。
同時に国レベルでも支持措置を次々と打ち出し、自由貿易試験区、自由貿易港の制度革新を推進している。国務院は先ほど発表した通知の中で、海南の改革開放の全面的な掘り下げを支持するため、中国(海南)自由貿易試験区は税関事務担保、輸出入関税、国際海運などの各分野の行政法規の施行を一時調整し、かつ関連部門に対して試行の要求に適応する管理制度の構築を求めるとした。
商務部も先ほど、自由貿易試験区の制度革新の展開の掘り下げを支持することを明確にした。自由貿易試験区のさらなる開放拡大及び革新的発展を推進する。自由貿易試験区の差別化模索への支持を拡大し、特定分野のより多くのシステム統合及び制度革新を展開する。
国研新経済研究院の朱克力執行院長は記者のインタビューに応じた際に、「自由貿易試験区や自由貿易港は、制度革新という改革開放の鍵をしっかり握り、国内の特大規模市場の優位性を発揮し整った内需システムを構築するべきだ。それと同時に国内・国際の双循環の促進を一つの方針とし、新情勢を迎えた中国が国際協力及び競争に参加するための新たな優位性を積極的に育むべきだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年7月28日