重慶工商大学長江上流経済研究センターの莫遠明研究員は、「アイス市場はすでに全国市場の独占を目指す競争と地域市場の独占を目指す競争が同時に行われる時期に入った。外資大手が中国アイス市場に徐々に浸透するようになり、市場の競争局面には分裂が生じ、小規模ブランドの競争が一気に大手ブランドの競争へと変わっており、業界のハードルはこれから急速に上がるだろう」と述べた
商品の構造をみると、ウォールズ、ネスレ、ハーゲンダッツなどの外資系ブランドが高級市場の大部分と中級市場の一部を占領している。蒙牛、伊利、光明などの国産ブランドは中級商品が中心だ。地域の老舗メーカーと多くの中小規模の地方民間企業は中級・低級市場に狙いを定める。
莫氏は、「現在、複数の外資系メーカー、国内の乳製品メーカー、地域の老舗メーカーが『天下を三分する』局面が基本的に形成されているが、アイス消費は高度化を遂げ、これから大手に競争を挑むチャンスがあるだろう。アイスというこれまであまり注目されていなかった小さな品目が、徐々に一大産業へと成長している」との見方を示した。
専門家によると、アイス全体の発展状況から考えて、価格は今後も上昇を続けるとみられる。商品の品質保証を主な訴求ポイントとして、その見た目と属性を向上させることが、重要な方向性になるという。
また同専門家は、「未来のアイス商品は天然、健康、機能化、おやつ化に向けて発展するだろう。ここ数年、健康食品が低脂肪、低糖、低塩、高タンパクの『三高一低』健康ニーズを打ち出しており、これはアイス商品の発展トレンドにもなるとみられる」と述べた。
「人民網日本語版」2020年8月18日