福建省の福州江陰港城経済区にて、オートメーション化されたガラスの生産ラインで生産状況のモニタリングを行う工場労働者(写真=新華社提供)
このほど、商務部対外貿易司の責任者が今年1~8月の中国における対外貿易の状況について説明を行った。全体的に見て、同期間の中国の輸出入総額は20兆500億元で、前年同期比0.6%減となった。そのうち、輸出は11兆500億元で0.8%増、輸入は9兆元で2.3%減だった。他国に比べ、中国の輸出入は世界の主な経済体の平均水準を上回っている。
対外貿易の輸出入は中国の経済成長に重要な影響を及ぼす。1~8月の対外貿易の状況に関する最新データによれば、輸出総額は4月から5カ月連続でプラス成長を維持しており、同時に輸入総額の下げ幅も明らかに縮小している。中国の対外貿易は徐々に安定を取り戻し、良い方向へと向かっており、これは中国の輸出入が新型コロナウイルス感染症によるダメージに対応する力がますます強まっていることを示している。
輸出入関連のデータから、中国の経済発展における幾つかの特徴が見て取れる。安定的かつ健全な経済体は一定の経済成長だけでなく、さまざまなリスクや試練に打ち勝つ力も必要だ。民間経済は輸出入の面で良好な成果を上げている。
データによれば、1~8月の民営企業による輸出入額は9兆2100億元で8.5%増となり、対外貿易総額の45.9%を占め、前年同期比で3.9ポイント上昇した。そのうち、輸出は6兆700億元で8.3%増となり、輸出総額の54.9%を占めた。また、輸入は3兆1400億元で8.9%増となり、輸入総額の34.9%を占めた。
新型肺炎がグローバル経済に巨大なダメージをもたらしている状況下で、民営企業は輸出入でプラス成長を保つことができたのは、民営企業が中国の対外貿易の発展において極めて重要な地位を占めるだけでなく、グローバル産業チェーン・サプライチェーンにおいて大きな影響力を持つことも示している。
中国の経済発展の強靭性はハイテクおよび高付加価値製品の輸出の伸びの力強さにも表れている。データによれば、1~8月の中国における機械および電子製品の輸出は6兆4700億元で2.1%増となり、輸出総額の58.5%を占めた。そのうち、集積回路、家電、携帯電話、パソコンの輸出成長率はそれぞれ14.7%、14.1%、8.9%、8.4%に達した。これも新時代の中国経済が質の高い発展へと向かっていることをありありと示すものと見るべきだ。
1~8月の対外貿易に関するデータから見ると、輸入総額の下げ幅はさらに縮小したが、なおもマイナス成長となっている。これは主に取引額が大きい商品の価格変動によるもので、実際には輸入量は減っていない。例えば、1~8月の中国における粉鉱石の輸入量は7億6000万トンで11%増となり、平均輸入価格は1トンあたり652元4角で0.2%下落した。原油の輸入量は3億6800万トンで12.1%増となり、平均輸入価格は1トンあたり2306元4角で30.1%下落した。大豆の輸入量は6473万9000トンで15%増となり、平均輸入価格は1トンあたり2718元8角で0.4%の下落となった。取引額が大きい商品の輸入量が増えても、価格の下落の影響を受けて輸入総額の成長率はマイナスとなるが、実際には国民経済の運営コストが下がり、中国国内の関連企業の収益力を高める上でプラスとなり、中国の経済発展の強靭性を高める上でもメリットがある。
「北京週報日本語版」2020年9月21日