先日、中国はカンボジアと自由貿易協定に調印し、ノルウェーなどの国との自由貿易協定交渉を加速化し、域内包括的経済連携(RCEP)交渉にも積極的に参加している。一連の動作は、中国が自由貿易協定を通して国際協力の新境地開拓を加速化していることを示す。
中国(海南)改革発展研究院の遅福林院長は、「世界の多国間貿易体制は厳しい試練に直面し、産業チェーンとバリューチェーンの地域化と現地化が進む中、域内貿易協定は各国が参加するグローバルガバナンス、貿易協力を進める重要な選択肢になっている」と分析する。
複数の交渉が進められる中、中国は10月12日にカンボジアとビデオを通して自由貿易協定に調印した。協定では、中国の対カンボジア貨物貿易のゼロ関税税目の割合が97.53%に、カンボジアの対中国貨物貿易では90%に達した。これは全ての自由貿易交渉で最高水準となる。
商務部国際司の責任者によると、中国・カンボジア自由貿易協定は7カ月で交渉を終え、協定の貨物貿易自由化とサービス市場参入許可はいずれも自由貿易協定の最高水準に達した。
そのほか、中国とノルウェーは先日、自由貿易協定の首席交渉代表ビデオ会議とRCEPの第8回部長クラス会議を開き、二国間と域内自由貿易協定の交渉は加速している。
遅福林氏は、「産業チェーンとバリューチェーンの地域化と現地化が新たな傾向となる中、中国は地域協力を推し進め、北東アジアや東南アジアとの協力を強化し、RCEPと中日韓自由貿易協区交渉を進め、感染症流行後の一国主義、民族主義、保護貿易主義などへの対応できる条件を作り出す必要がある」と述べた。
記者がまとめたところによると、中国はこれまでに26の国と地域と18の自由貿易協定を締結しており、ノルウェー、イスラエル、スリランカ、パナマ、パキスタンの6カ国と交渉を進め、さらにパプアニューギニアやコロンビアなどとの自由貿易協定の実行可能性も研究している。
遅福林氏は、「中国は域内自由貿易協定が貿易にもたらす実際の効果を大幅に引き上げ、域内自由貿易協定の自由化と便宜化を高め、2025年までに自由貿易協定対象国との貿易額が貿易総額に占める割合を2019年の35.2%から50%以上に引き上げる必要がある」と話した。
商務部の統計によると、2020年1~5月、中国と自由貿易相手国との輸出入額は情勢に逆らって増加し、同時期の輸出入総額伸び率を約4.8ポイント上回り、高い抗リスク能力を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年10月25日