中国国家統計局が先般発表した2020年1~9月の国内総生産(GDP)前年同期比0.7%増とプラス成長に転換した。新型コロナウイルス感染症が世界的に流行し、世界経済がリセッション(景気後退)入りする中、中国経済がプラス成長を実現したことは高く評価されるべきであり、世界経済に「正能量」(ポジティブなエネルギー)を注入することにもなる。
中国のGDPは第1四半期(1~3月)に6.8%減と初のマイナス成長となったが、第2四半期(4~6月)には3.2%増とプラス成長に転じ、第3四半期(7~9月)にはさらに4.9%増と回復基調が加速した。こうした年初の低水準から徐々に上向いていく成長曲線は、感染症と闘う中国の成果を映し出したものと言える。
中国経済が四半期ごとに改善し、安定した回復基調を維持しているのは、覚悟をもって事に当たってきたからであろう。感染拡大の封じ込めを主導してきた中国は段階的かつ矢継ぎ早に、的を絞った方法で一連の政策措置を打ち出し、多くの市場主体が経済活動を再開できるように支援してきた。
統計によると、第3四半期の一定規模以上の企業を対象とした鉱工業生産(付加価値ベース)は前年同期に比べ5.8%増加し、前期を1.4ポイント上回った。サービス業の生産額は前年同期に比べ4.3%増加し、伸び率は前期を2.4ポイント上回った。注目すべきは1~9月の全国都市部新規就業者数が898万人と、通年目標を99.8%達成したことだ。中国経済は足元で力強い回復を見せ、活性化している。
世界が良くなってこそ、中国は良くなる。中国が良くなれば、世界はさらに良くなる。中国経済の継続的な回復は、世界にとっても間違いなく喜ばしいことと言えよう。中国は足元で「国内大循環」を主体とした、内需と外需の双方の好循環を促す新たな発展スキームを構築しており、開放の扉を閉ざすことなく、ますます広く開いている。行政のスリム化やサービスの向上を目指す「放管服」改革の本格推進や、外資の参入を規制する分野を示した「外商投資ネガティブリスト」の縮小、国際化・法治化・利便化されたビジネス環境づくりなどが挙げられる。
中国は今、より高い水準の開放型経済の新体制構築を通じて、自国の成長ポテンシャルとその機会を世界と共有している。国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事が語ったように、中国経済は世界経済の成長をけん引する原動力となるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年10月24日