感染対策常態化のもと、1月28日より今年の「春運」(春節前後の帰省・Uターンラッシュに伴う特別輸送体制)が静かに始まった。全国各地は人口流動を減らすため「現在地での年越し」を提唱している。国務院共同感染対策メカニズム春運活動専門チームが発表したデータによると、1月30日の全国民間航空旅客数は延べ48万8000人、29日は延べ49万2000人で、前年同期比で7割超の減少となった。
民間航空市場の春節という繁忙期が閑散期になっていることについて、業界内からも「国内民間航空は苦しい」という声が上がっている。
去哪児のデータによると、去哪児のプラットフォームにおける今年の春運中の航空券の平均決済金額は651.36元のみとなっている(1月25日現在)。この価格は2019年の春運を200元弱下回り、過去5年の春運前で最も低い数値となっている。「証券日報」の記者が去哪児の旅行アプリをチェックしたところ、旧暦の大晦日(2月11日)の北京発上海行きの価格は500元以下が多く、深セン発上海行きでは100元以下のチケットもある。
「今年の航空券は割安で、高速鉄道よりもお得だ」深セン市で働き、故郷の浙江省で年を越す陳さんは記者に「以前は高速鉄道を選んでいたが、今年は感染症により接触の機会を減らそうと思い航空機を選んだ。これは価格以外の理由だ」と話した。
コロナ禍であっても、民間航空業はさまざまな新しい措置を講じているが、先ほど発表された上場企業2020年業績予想を見ると、3大航空会社の平均赤字(予想)は100億元にのぼっている。民間航空各社も同じく赤字になっている。
業界関係者は「昨年を見ると需要はあるはずだ。感染症が徐々に沈静化に向かうにつれ、人々が外出に意欲的になる。ワクチンが徐々に普及し、接種量が拡大するに伴い、健康的な移動への自信が深まる。1年以上の感染症との戦いにより、ビジネス旅客の移動が安定化に向かっている。今年の清明節やメーデーの連休中、観光客の移動状況が好転するとみられる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年2月2日