国際通貨基金(IMF)のゲオルギエバ専務理事は5日、「中国の経済成長が一段と国内消費主導型に向かうと同時に開放拡大を継続するのに伴い、中国は世界経済の回復にさらなる成長エネルギーを注入する見通しだ」と述べた。
ゲオルギエバ専務理事は同日のオンライン記者会見で新華社の質問に対して、「中国は2020年、主要国で唯一プラス成長を実現した国だ。IMFの予想では、中国の2021年経済成長率は8.1%に上る見通しだ。中国経済の回復は、中国と経済貿易で緊密なつながりのある国を中心にポジティブな波及効果をもたらしている」と答え、「これは中国だけではなく、世界にとっても有益だ」とした。
同専務理事は、「世界は気候変動対応などの大きな課題に直面しており、すべての国と協力する必要がある」と述べ、中国が2060年までにカーボンニュートラル実現を目指すと表明したことに歓迎の意を示した。
世界経済について同氏は、「世界経済の回復は二極化の大きなリスクに直面している」と警告。IMFは今年の世界経済成長率は5.5%と予想しているが、150の国と地域はコロナ前の水準に回復できない可能性があり、発展途上国と先進国との所得格差は一段と拡大する見通しだという。
専務理事は各国に対して、世界経済回復の二極化というリスクに全力で対処するよう呼びかけた。具体的には、◇先ずは、ワクチン生産を加速し、ワクチン分配の枠組みを整備、発展途上国に相応の援助をする必要がある。◇第2に、政策決定者は経済回復に政策支援を継続し、特にコロナ禍の深刻な影響を受けた弱者層を支援すべき。◇第3に、国際協力を活発にし、G20サミットで合意した「債務支払猶予イニシアティブ(DSSI)後の債務措置に係る共通枠組」を実行し、最貧国の債務減免を実施する必要がある、――と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年2月12日