海外メディアによると、インド政府が発表した2020年の同国と中国との二国間貿易額は777億ドルだった。前年を若干下回ったとはいえ、インドにとって中国が最大の貿易相手国であり、その地位を維持するには申し分ない数字だった。
この年、中国も初めて米国を抜いて欧州連合(EU)最大の貿易相手国となった。EUのモノの貿易相手国上位10位までのうち、中国は唯一、双方向の貿易拡大を実現した国となった。
また、ドイツの最新の公式統計によると、中国との貿易は昨年、コロナ禍の逆風にもかかわらず、前年比3%増の計2121億ユーロに達し、中国は5年連続でドイツにとって世界最大の貿易相手国としての地位を確保した。
中国当局はこれまでに、中国の貿易額が世界市場に占める割合は2020年に過去最高となり、最大のモノの貿易大国としての地位を一層盤石にしたとの見方を明らかにしている。
中国が主要経済国にとって最大の貿易相手国となるケースが相次いでいるが、大きな理由として中国が新型コロナウイルス対策に成功し、世界に先駆けて経済活動を再開させたことが挙げられる。
他の国がコロナ禍で経済活動の「凍結」を繰り返す中、感染拡大をほぼ抑え込んだ中国は、いち早く生産・操業の再開にこぎ着けた。中国は安定したサプライチェーンと高い生産能力をもって、海外で緊急に必要とされるあらゆる生活必需品や医療物資などを継続的に提供してきた。こうした状況の下、中国の貿易、中でも輸出が増加基調で推移しているのは、理にかなっていると言えよう。
中国の景気回復が加速していることも輸入拡大を後押しする要因となっている。中国の統計によると、中国経済がプラス成長を実現したのに伴い、所得も増加したことから、昨年は1.6兆元近い消費財を輸入した。うち、肉や宝飾品、化粧品の輸入額はいずれも30%以上の伸びとなった。