中国海南省瓊海市博鰲(ボアオ)鎮にある医療特区「海南博鰲楽城国際医療旅遊先行区」で先月13日、ドイツの医療機器大手シーメンス・ヘルシニアーズ傘下のコリンダス社が開発した最新鋭の経皮的冠動脈インターベンション(PCI)を補助するロボットシステム「コーパス(CorPath)GRX」を用いた中国国内初となる手術が行われ、無事に成功した。
世界で唯一、米食品医薬品局(FDA)の承認と欧州CEマークを取得したロボットシステムで、冠動脈や末梢血管などのインターベンション治療分野に適用でき、ミリ単位での手術や治療を正確に支援する。医療従事者や患者への被ばく線量を大幅に低減でき、手術精度と操作性の向上が可能となる。
今回の手術は、中国科学院の院士(アカデミー会員)である復旦大学中山病院の葛均波教授のチームによって行われた。このロボット支援によるPCI手術を受けたのは60歳の男性患者。10年以上前から冠状動脈のアテローム(粥状)硬化に苦しみ、長い期間、薬を服用していたが、病状は一向に改善しなかった。
手術は午前10時35分に無事終了。全国各地の病院から集まった心臓、神経、末梢血管インターベンション治療分野の専門家らがオンライン上で様子を見守る中、手術が行われた。この手術支援ロボットは 昨年開かれた第3回中国国際輸入博覧会で発表され、業界の注目を大いに集めた。
シーメンス・ヘルシニアーズ・グレーターチャイナ臨床治療システム担当バイス・プレジデントの浦崢嶸氏は、当社は楽城先行区を皮きりに、ボアオと中国全土に最先端の医療技術と機器を提供していくと説明。特に、今後のロボット製品のラインナップは中国の医療発展により大きく貢献することになるだろうと語った。
専門家は「楽城先行区では近年、さまざまな先進的な医薬品や医療機器が導入されており、「1+X」モデルでのさらなる協力が期待されると指摘。世界の先端技術を迅速かつ円滑に国内に導入することで、多くの医療関係者や患者に恩恵をもたらし、海南省はもとより中国全体の医療水準の向上と進歩を後押しする技術的な支えになるとの見方を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年4月11日