インフラ建設を強力に進める中国。道路や架橋を建設する動画が海外のネット上に転載されると、ネットユーザーは「中国スピード」、「中国の奇跡」などの驚きの声を挙げる。バイデン大統領の負け惜しみにも聞こえる。彼はアメリカの世界的競争力をさらに高めるため、たとえ共和党の支持が得られなくても、数兆ドルの支援策を議会承認させる決心をした。
バイデン米大統領、鉄道面で中国に劣ると認める
「アムトラック・ジョー」のあだ名を持つバイデン米大統領は鉄道ファンだ。地元のデラウェア州とワシントンを、よく電車で往復していた。彼の政治人生においてアムトラック(全米鉄道旅客公社)は、彼の強い支持者であり続けた。1987年に初めてバイデン氏が大統領選挙に立候補した際、選挙活動をスタートさせた場所も鉄道駅だった。
現在、鉄道に縁のある米大統領は、2.3兆ドルの大規模インフラ建設を計画している。うち800億ドルが鉄道サービスの向上に用いる予定だ。
この大型プロジェクトは、危険な橋梁や道路の修理のためだけでなく、アメリカの国際的なリーダーシップを確固としたものにするためでもあると、バイデン大統領は言う。
しかし真意は別の所にある。率直に言って、国際的なリーダーシップを目指すとは、インフラ建設では世界一である中国と競争することに等しい。彼自身の言葉を借りれば「中国は我々のランチを食べつつあるから」だ。
バイデン大統領は東北部にある古い工業都市フィラデルフィアで4月30日、アムトラック創立50周年祝賀行事に出席した際、「中国には2.3万マイルの高速鉄道システムがあり、世界の高速鉄道の3分の1の長さを占めている。我々は立ち遅れている」と悔しさを滲ませながら述べた。
とはいえ5月5日付の米誌「フォーリン・ポリシー」内のある記事は、バイデン政府はアメリカのインフラ問題に強い関心を寄せており、中国との比較をするのを好む。しかし中国インフラの“奇跡”をコピーすることはできない」と指摘する。
中国インフラの“奇跡”をコピーアメリカにできるのか
中国では、高速鉄道はすでに一般の日常生活の一部となっている。しかしアメリカはそうではない。