海風にそよぐヤシの木に照りつける灼熱の太陽。中国海南省海口市の沿岸部にある海南国際会議展示センターは、翼を広げて飛び立とうとするカモメのように世界に手を広げている。
今月10日に閉幕した第1回中国国際消費財博覧会(消費財博)は実り多い見本市となった。来場者の誰もが興味を持って参加し、満足して帰ったことからも、中国の開放性と魅力がうかがえる結果となった。
より開放的で活力に満ちた中国は新たな成長の機会を世界と共有し、相互利益の協力関係の構築に向けて新たな歴史の一幕を紡ごうとしている。
この消費財博には約70の国と地域から1505社、2628の消費財ブランドが出展し、契約調印や提携関係の構築など朗報が相次いだ。英蒸留酒大手エドリントンは中国側との間で1億元に上る購入意向書を交わたほか、独ヨットメーカー、ハンゼはヨット2隻をそれぞれ500万元、700万元以上で売り上げた。5月7日から9日までの3日間で海南館には約2万人が来場し、契約見込額は1億310万元に、契約実績額は15億3550万元に達した。
相次ぐ「超大型受注」には目を見張るものがあり、中国の消費潜在力の高さがうかがえ、実りある成果を大いに示す形となった。
スイスの食品大手ネスレ・グレーターチャイナのラシッド・クレシ社長兼CEOは記者会見で「消費財博は、輸入博に続く見本市として、中国政府が設けたもう一つの相互利益・協力関係構築の場であり、拡大開放に向けた中国政府の確固たる決意がうかがえる」と評価。中国の消費者は質の高いパーソナライズされたものを好む傾向があるが、こうしたニーズに応えるため、今回の消費財博には特別にさまざまな新製品を持ち込んだと語った。