中国の二大鉄鋼企業である鞍山鋼鉄集団と本渓鋼鉄集団が20日、東北部遼寧省の鞍山市で合併大会を行いました。合併後、本渓鋼鉄は鞍山鋼鉄の子会社となり、新会社の粗鋼生産能力は6300万トン、営業収入は3000億元(日本円にして5兆667億円)を上回り、中国2位、世界3位の鉄鋼企業になる見込みです。
鞍山鋼鉄と本渓鋼鉄は、いずれも中国東北部の遼寧省に拠点を置き、中国における重要な鉄鋼生産基地です。2020年の粗鋼生産ランキングで、鞍山鋼鉄は3920万トンで全国4位、本渓鋼鉄は1618万トンで全国9位でした。2社は地理的に近く、生産ラインの配置や製品の構造も似ているため、長い間、無秩序な競争が存在し、双方ともに影響を受けていました。今回の合併によって、戦略・資源・研究開発・受注・販売・物流などにおける協調一致を取り、生産能力の統一配置が進められ、重複建設や無駄な投資が避けられるほか、技術装備のモデルチェンジや製品構造のレベルアップ、生産効率の促進と収益の向上にもつながることが見込まれています。
鉄鋼産業は国の産業基盤であり、鉄鉱石は鉄鋼業の重要な原材料です。しかし現在、中国が輸入する鉄鉱石への依存度は8割を超え、大きなリスクを抱えています。これについて、中国工程院の劉玠院士は、「今回の合併によって、鞍山鋼鉄の優れた受注能力や技術的優位性、そして鉱山建設能力を生かしながら、鉄鉱石輸入への依存度を低減させ、国の鉄鋼資源の安全保障能力を向上させていくことになる」と期待を寄せました。
「中国国際放送局日本語版」2021年8月22日