ここ数年、中国の多くの地域で起業の活力がほとばしっている。中国新聞社が伝えた。
天眼査などの調査会社が2日に共同で発表した「若者起業都市活力報告(2021年)」によると、2011年から20年までの約10年間に、中国ではベンチャー企業4400万社以上が誕生した。つまり、平均して7秒ごとに1社が誕生した計算になる。
このうち「双創(大衆による起業・イノベーション)」が提起された14年は、中国のベンチャー企業新規登録数の前年同期比増加率が45.7%に達し、10年間で増加率が最も高い年になった。
20年は新型コロナウイルス感染症が経済情勢にある程度の打撃を与えた。しかし同報告書は、「中国のベンチャー企業の登録数は『流れに逆らって増加』し、通年で新たに710万社以上が誕生した。これと同時に、登録数の飛躍的増加に伴って、11-20年には、中国にベンチャーサービス機関3万ヶ所近くが新たに生まれた」とした。
どの都市がベンチャー起業家に最も人気があるのか。同報告書は100都市の若者の起業活力を評価し、政府の支援、経済環境、資源賦存量、起業のインキュベーション、科学技術イノベーションの5つの視点から若者起業都市活力指数を打ち出した。
その結果、若者起業家が起業したい都市のうち、1位は北京で全国のトップに立った。2位は成都で、文化・クリエイションが高い誘致力を示した。3位は発展する「デジタル経済トップ都市」の杭州だった。上海、重慶、広州、長沙、深セン、南京、厦門も人気が高かった。
若者が起業の期待を寄せる産業は何か。同報告書は、人工知能(AI)、ビッグデータなどのハードテクノロジーを選ぶ人が多く、AIが1位で63.6%を占め、ビッグデータが2位で61.8%を占めた。文化・クリエイティブ産業は国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)消費、ネットでの人気に基づく経済などの要因の影響を受けて3位に浮上した。
起業は決して平坦な道のりではない。若者の起業が抱えるボトルネックのうち、「資金調達の方法がわからない」が起業家の前に横たわる一番目の難問だ。同報告書は、「調査回答者の52.63%が資金調達の問題を最も大きなボトルネックだと考えている。次は人脈資源の不足で49.16%に上った」という。中央財経大学商学院の葛建新教授は報告書を解説して、「人脈は最も重要な起業の資源であり、若者起業家は生活の中の『強い関係性』をうまく利用する必要がある」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年9月6日