5.5Gは単なる+0.5ではなく新たなシーンを切り開くもの

5.5Gは単なる+0.5ではなく新たなシーンを切り開くもの。中国はこれから5G基地局が100万ヶ所を超える一里塚を迎え、5G発展は新たな段階に入ろうとしている。5Gの進化形といえる5G-アドバンスド、すなわち5.5Gはすでにその矢が弓につがえられた…

タグ:5G 発展 商用化

発信時間:2021-09-07 16:16:28 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

  グリーン5Gとも言われる5.5Gは、スマート省エネ技術、新材料、新エネルギー技術、新たなネットワークアーキテクチャを通じてエネルギー消費を削減し、各業界が全産業チェーンに及ぶ低炭素・省エネを実現するようエネルギーを与え、国が二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウト、カーボンニュートラルの「ダブルカーボン」の目標を達成するのをサポートし、中国の省エネ・環境保護事業を支援することができる。「科技日報」が伝えた。


中国はこれから5G基地局が100万ヶ所を超える一里塚を迎え、5G発展は新たな段階に入ろうとしている。5Gの進化形といえる5G-アドバンスド、すなわち5.5Gはすでにその矢が弓につがえられた。


従来のシーンを増強し、新しいシーンを切り開く


5Gは第1段階の商用化がすでに始まったが、その基準と技術はまだ発展・進化を続けている。


4月27日、標準化機関3GPPのグループPCGの第46回ミーティングで、5Gの進化形の名称が5G-Advancedに正式に決定し、これは世界の5G技術・基準の発展は新たな段階に入ったことを示している。


中国モバイル通信研究院の段暁東副院長は、「5Gの中核目標はあらゆる業界にサービスを提供することだ。世界では5Gが発展して喜ばしい成果が上がっているが、5Gのポテンシャルをどのように発揮させるか、業界に真にサービスを提供するにはどうするかは、まだ私たちの目の前に横たわる非常に重要な課題だ」と述べた。


同研究院ワイヤレス・端末技術研究所の鄧偉副所長は、「工業の複雑なシーンに必要とされる低遅延、高い信頼性、高精度の同期や測位などのニーズに直面して、現在の5Gネットワークの能力はさらに進化する必要がある」との見方を示した。


中国工程院の張平院士は、「5Gは発展を続け、より多様で複雑なフルシーンのモノのインターネット(IoT)のニーズに応える必要がある。同時に、5Gの生命力を強化して、5G産業の発展・進化をけん引すよるようにし、あらゆる業界のスマート化バージョンアップを加速するようにしなければならない。5.5Gは垂直型業界の拡大発展に主に焦点を当て、そのネットワーク力で垂直型業界をよりよくサポートすることもできる」と述べた。


張氏によると、5Gの既存のモバイルブロードバンドの増強、高信頼性・低遅延、大量のマシーンタイプ通信の「トライアングルの能力」だけでなく、5.5Gは上りの超広帯域無線通信(UWB)、ブロードバンドのリアルタイム・インタラクティブ性、通信の感知・融合能力を増強し、既存の5Gの3大標準シーンを能力のより強化された「6角形」へと拡大発展させ、新たなシーンを切り開くという。


2大チェーン融合による5.5Gの発展が業界の共通認識


中国の5G産業の急速な発展により、各種応用はネットワークに対してより高いニーズを持つようになり、ネットワークアーキテクチャ、性能、遅延、セキュリティなどに新たな挑戦が突きつけられた。


8月3日、中国モバイル連合産業協力パートナーが発表した「5G-アドバンスド イノベーションチェーン・産業チェーン融合行動計画書」は、5G-アドバンスドによるイノベーションチェーンと産業チェーンの融合に向けた行動目標及び重点措置を明確にすることが狙いだ。


鄧氏は、「5G-アドバンスドは主に将来の社会のデジタルスマート化へのモデル転換のニーズに応えるために関連の技術面のバックアップを提供するもので、技術の方向性が明確になった後は、技術を成熟させるにはどうするか、技術が経済社会のデジタルスマート化モデル転換に迅速にサービスを提供するにはどうすればよいかがカギとなり、そのためには産業チェーンの協力提携による推進が必要になる」と述べた。


中国通信標準化協会の聞庫事務局長は、「5G-アドバンスドは今や産業界の共通認識で、革新的な5G-アドバンスドプランは中国の移動通信産業の、ひいては中国の産業全体の5Gネットワークによる質の高い発展をサポートするものになり、各業界のユーザーにより質の高いスマートな製品・サービスを提供することになる」との見方を示した。


華為(ファーウェイ)技術有限公司の常務取締役兼情報通信技術製品・ソリューション総裁の汪濤氏は、「5.5G産業のビジョンを実現するために、5.5Gは周波数の割当の再構築、上りの強化、フルシーンIoT、多感覚の融合、レベル4自動運転ネットワーク、グリーン・低炭素など6つの方向性における持続的なイノベーションが必要だ。


万物の「インターネット」から万物の「スマートネット」へ


業界には次のような共通認識がある。5.5Gは通信技術の高度化というだけでなく、新たな生態圏、新たなチャンスを示すものであり、数多くのシーンにより多くの知恵をもたらすものだ。


VR(仮想現実)配信、8K超高精細テレビ、フルスクリーン配信などの応用は、人々が超高速通信(eMBB)シーンに基づく5Gの能力を体験する第一歩になる。それでは5.5ネットワークはどんな驚きと喜びを与えてくれるのだろうか。


汪氏は、「5Gの基礎バージョンに比べ、5.5Gは最終的に5Gの10倍以上のネットワーク能力の増強を実現するものと期待される。将来の5.5Gネットワークはより多くのIoTデバイスを搭載できるようになり、最終的に1千億件以上の接続が可能になる」と述べた。


汪氏の説明によると、まず5.5Gは自動運転、低空域ドローン物流など各種の車載ネットワーク(IoV)、IoTの応用シーンにより正確に対応するものとなり、特に自動運転の安全係数を高め、商用化の実現を後押しすることになる。次に5.5Gはグリーン5Gとも呼ばれ、スマート省エネ技術、新材料、新エネルギー技術、及び新たなネットワークアーキテクチャを通じてエネルギー消費を削減し、各業界が全産業チェーンに及ぶ低炭素・省エネを実現するようエネルギーを与え、国がCO2排出量ピークアウト、カーボンニュートラルの「ダブルカーボン」の目標を達成するのを支援し、中国の省エネ・環境保護事業を支援することができるものだという。


これまで著しい成果を上げている5Gだが、各業界のニーズに十分に応えているとは言えない。


ファーウェイの打ち出した5.5G構想では、5.5Gが拡張発展した新たな3つの応用シーンとして「上りリンクに着目したブロードバンド通信(UCBC)」、「リアルタイムブロードバンド通信(RTBC)」、「通信の調和とセンシング(HCS)」があり、5G技術のコアバリューをさらに開拓することになるという。


消費者に向けた4G・5Gネットワークでは、下り方向が上り方向より重要だが、各業界に向けては、一部の場面で上りが下りより重要になる。一方で、UCBCシーンは5Gの上り能力を強化し、既存の基礎の上に40倍以上のブロードバンドを拡張し、企業の生産・製造などのシーンで、マシンビジョン、大容量のブロードバンドIoTなどの上りニーズに応えるものとなる。


RTBCのシーンは広帯域幅と双方向通信の低遅延に対応し、定時遅延のブロードバンドで10倍のスピードアップを実現する。XR技術とホログラム技術など人とバーチャル世界との双方向通信における没入体験は、こうした発展を受けてより幅広い発展の条件を備えることになる。


HCSシーンは通信と感知の融合をバックアップし、センチメートル単位の高精度、低エネルギー消費の屋内位置情報サービスを提供できる。今後10年間で、自動運転はますます私たちの生活に入り込むようになるが、レベル4・5の自動運転の実現には、路車協調が不可欠で、そのためにはネットワークが接続能力を提供するだけでなく、感知能力も提供しなければならない。そのため通信と感知の融合が非常に重要になる。


聞氏は、「中国が直面する非常に大きな任務は、5G応用のイノベーションのニーズに応えること、応用の断片化などの問題を解決すること、VR、IoT、スマート製造、スマート医療、IoVなどの分野におけるイノベーション応用を加速的に実現することだ」との見方を示した。

 

しかし、5Gの今日の成果は起点に過ぎない。5.5Gもネットワークの能力レベルアップの道のりにおける1つの通過点に過ぎず、将来ネットワークが人類にどんな能力をもたらすかについては、これからも引き続きイノベーションを展開し、開拓を進めることが必要だ。(編集KS)


「人民網日本語版」2021年9月7日

 

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