新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、国際貿易は甚大な影響を受けた。経済のグローバル化に逆風が吹き、国際社会では一国主義や保護主義が台頭するなど、世界は今、大きく変わろうとしている。こうした中、中国では今年も中国国際サービス貿易交易会(CIFTIS、服貿会)が開かれた。この服貿会で中国は、開放と協力に対する決意と信念を表明し、より多くの国々に、歴史を逆行させるのではなく、一致協力して相互利益を享受するよう呼び掛けた。
「中国のサービス業の開放と発展は世界に大きく貢献し、昨年の中国のサービス貿易額は6617億ドルに達した。過去10年間で、中国は世界から4兆ドル以上のサービスを輸入し、世界のサービス輸入の成長に24%貢献してきた。今後、世界の貿易相手国に年間で約1900万人の雇用を創出すると期待される」。中国商務部の俞建華国際貿易交渉代表兼副大臣は、分科会の「サービス貿易の開放と発展の新たな動向に関するサミット」に出席し、あいさつでこう述べた。
この服貿会には、宅配用の無人自動車や、スマート肌質測定器、ウェアラブル式デジタル人民元ウォレット、電気フェイスマスク、宙に浮くフローティングバックパック、雨水発電、バーチャルリアリティ(VR)で見る宇宙ステーションドッキングなど、さまざまなブラックテクノロジー製品が出展された。科学的要素と文化的要素の両方を盛り込んだオーディオ・ビジュアルの祭典となり、人々の関心を引き付けた。
保温材料の開発を手掛ける北京疊畳加態技術の首席科学家、鐘飛鵬氏は「服貿会のデジタルクラウドプラットフォームは、価値を最大化し、コストを最小化することで、企業が自社製品を宣伝し、市場に食い込むためのラストワンマイルを切り開くことができる」と評価した。同社は今服貿会で、世界で初めて開発に成功した新素材「ナノクローズドセル断熱材」をオンライン+オフラインの形で発表した。この製品は、防寒着の厚みを8割減らし、保温効果を5倍高めることができる。
デジタル経済は、世界が今後向かう方向であり、サービス貿易の大きな流れともなっている。俞氏は足元のサービス貿易の動向について、「デジタルエンパワーメント」が新たな原動力を集め、「技術エンパワーメント」が新たな成長エンジンを活性化し、「ルールエンパワーメント」が新たな成長余地を拡大するという傾向が見られるようになったと指摘。新興サービスが続々と登場し、デジタル経済が全面的に加速するようになってと語った。