【新華社北京10月4日】中国の自動車メーカー、上汽通用五菱汽車(広西チワン族自治区柳州市)が生産した小型SUV(多目的スポーツ車)「宝駿(バオジュン)510」が10月中旬にメキシコのラサロカルデナス港に到着する。同車はコンパクトSUV「宝駿530」、ミニバン「五菱宏光V」に続きメキシコに進出する新たな世界戦略車になる。
今回の出荷台数は2950台。同社の単一市場向け単一車種の月間受注数では過去最高となる。9月初めに工場から出荷された。
同社は上海汽車集団、米ゼネラル・モーターズ(GM)、広西汽車集団による合弁会社で、その製品はコストパフォーマンスの高さからネット上で「神車」と呼ばれ、高く評価されている。
ここ数年は、国内市場の開拓を強化するとともに、「一帯一路」建設の機会を捉えて積極的に海外進出を進めている。昨年は完成車と部品の輸出が7万7376台(組)となり、海外売上高は34億6千万元(1元=約17円)に上った。今年は1~6月の輸出量が前年同期比91%増の7万4225台(組)となっている。
同社は、海外市場の中でも人口が多く、自動車消費市場の潜在力が高い中南米に力を入れている。同社海外事業・プロジェクトセンターの李淑英(り・しゅくえい)総経理によると、同社は2009年以降、チリやペルー、ボリビアなど南米各国に進出し、中南米への輸出台数は既に15万台を超えている。
中南米向けの車両は世界仕様車として開発され、GMのシボレーのロゴを付けて販売される。土地柄に応じて冷房性能や防食性能、車台などのアップグレードと調整も実施している。
同社が次々に輸出する「神車」は、地元でもすぐに人気を集めた。李氏は「メキシコへは3月に進出したばかりだが、輸出台数は既に9千台を超えている。進出から半年に満たない7月には『宝駿530』の販売台数がコンパクトSUVでトップになった」と語った。十数年にわたる開拓が実り、同社の中南米市場での認知度は徐々に高まっているとし、今後はブラジルなど他の中南米諸国への進出にも積極的に取り組む考えを示した。
「新華網日本語版」2021年10月7日