炭素削減目標、新エネルギーに必要な技術と応用分野の変革

炭素削減目標、新エネルギーに必要な技術と応用分野の変革。

タグ:炭素削減

発信時間:2021-10-10 16:23:51 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 先般北京で開催された清華五道口「カーボンニュートラル経済」フォーラムで、「世界のカーボンニュートラルとエネルギー変革」をテーマにカーボンニュートラル目標が経済・金融の理論と実務にもたらす革新的な課題が検討され、主要なエネルギー関連産業の低炭素化について議論された。フォーラムでは「新エネルギー、新開発」をめぐり、浙江能源天然気集団董事長の楊敬東氏、寧徳時代党委第一書記の孟祥峰氏、米カミンズ副社長の彭立新氏、特変電工股份有限公司首席戦略官の趙儆氏が参加する座談会が行われた。座談会では、清華大学蘇世民書院(シュワルツマン学院)副学長で清華大学緑色経済・可持続発展(持続可能な開発)研究センター主任の銭小軍氏が進行役を務め、エネルギーと電源の供給サイドから「CO2排出ピークアウトとカーボンニュートラル(双炭)」目標がもたらす機会と課題について話し合われた。


 「第14次5カ年計画」綱要で、「エネルギー革命を進め、クリーンで低炭素、安全で効率的なエネルギーシステムを構築し、エネルギー供給の保障能力を向上させる」方針が打ち出されている。CO2排出ピークアウトとカーボンニュートラルの目標を予定通り達成するには、近代的なエネルギーシステムの構築を急がなければならない。歴史ある化石エネルギー企業の代表として浙江能源天然気集団董事長の楊敬東氏は、「双炭」目標の戦略を実践する一方、エネルギー安全保障、安定供給、経済性を考慮する必要があるとの考えを明らかにした。比較的クリーンで低炭素な化石エネルギー源の天然ガスは今後も成長を続ける見通しだ。電力、工業、交通、建築の4大エネルギー消費分野において、天然ガスが今後も炭素削減にプラスの役割を果たしていくだろう。同氏は「CO2排出ピークアウトの後には、『天然ガス発電+CCS』によって実質的なゼロカーボンが可能となる。また、天然ガス発電ユニットを改造して、水素燃料の使用も可能となれば革命が実現する」との見方を示した。


 「双炭」が国家戦略目標に格上げされたことで、エネルギーや交通分野のキーテクノロジーである電化エネルギー貯蔵も注目されている。寧徳時代党委第一書記の孟祥峰氏は、この10年間に新エネルギー車を通じてリチウムイオン電池の技術、コスト、寿命が急速に進歩すると同時に、電化エネルギー貯蔵の設備容量も増え続けており、将来的にもまだ大きな成長の余地があると説明した。


 世界的な二酸化炭素削減の流れの中で、歴史あるエンジン企業の米カミンズは技術開発や事業戦略の見直しを進めている。副社長の彭立新氏は同社の「多元化戦略」を紹介。リチウム電池や水素エンジン、水素燃料電池など新しい電源の出現を注視しながら同社は従来のエンジンを最適化し、CO2等の排出を削減すると共に新エネルギー電源の開発を続けているという。


 CO2排出ピークアウトとカーボンニュートラルの目標達成ではエネルギーが主戦場、電力が主力軍となる。送変電業界の特に多結晶シリコン新素材の研究開発拠点、大規模太陽エネルギー発電事業者、風力発電システムインテグレーターである特変電工股份有限公司の首席戦略官を務める趙儆氏は、同社としてエネルギー消費とエネルギー生産という2つの側面から「双炭」に貢献したいと話した。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年10月10日


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