国務院新聞弁公室は27日、「中国の気候変動対応の政策と行動」白書を発表した。それによると、2021年7月16日、中国全土の統一した二酸化炭素(CO2)排出権取引市場はオンライン取引をスタートし、世界最大の排出権取引市場になったという。中国新聞社が伝えた。
同白書は、「炭素排出権取引市場は経済発展と炭素排出削減との関係を適切に処理するための有効なルートを提供している。全国炭素排出権取引市場は市場メカニズムを利用して温室効果ガスの排出を抑制・削減し、グリーン・低炭素の発展を推進する重大な制度のイノベーションであり、中国のCO2排出量ピークアウトの目標とカーボンニュートラルのビジョンを実現する上での重要な政策ツールでもある」としている。
同白書によると、2011年10月、炭素排出権取引の試行事業が北京、天津、上海、重慶、広東、湖北、深センの7省(市)でスタートした。13年からは、7つのテスト事業炭素市場でオンライン取引が相次ぎスタートし、取引に関わった重点排出機関は電力、鉄鋼、セメントなど20を超える業界の3千ヶ所に迫った。21年9月30日現在、この7つのテスト市場の排出権取引量はCO2換算で計4億9500万トン、取引額は計約119億7800万元(1元は約17.8円)に達した。
21年7月16日、全国の市場でオンライン取引がスタートした。発電業界の重点排出機関2162ヶ所が組み込まれ、CO2排出量約45億トンをカバーして、世界最大規模の炭素排出権取引市場になった。9月30日までの排出権取引量は計約1765万トン、取引額は計約8億100万元になり、市場の運営状況は全体的に安定して秩序を保った。
同白書は、「中国はさらに温室効果ガスの自主的な排出削減に基づく取引メカニズムも構築し、エネルギー構造の最適化と生態環境保護への補償を効果的に促進した」としている。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年10月29日