「中国のWTO加盟は、多国間貿易体制の歴史における重要な出来事だ。グローバルな貿易体制への融合は、経済成長と発展への原動力となるが、中国はその教科書通りの模範だと言える。WTO加盟に伴う改革をきっかけとした構造的なモデル転換は、中国経済の急成長と現代化に寄与した。WTOにとって、中国の加盟を歓迎することは、真のグローバル機関となるための重要な一歩だ。他のWTO加盟国から見ると、中国が加盟すれば、急成長する経済大国との間でより予測可能で互恵的な貿易関係を築くことになる」。WTO事務局長のンゴジ・オコンジョ=イウェアラ氏は12月10日、WTO事務局と中国のWTO常駐代表部が共催したハイレベル・フォーラムでこう述べた。
フォーラムのテーマは、「中国のWTO加盟から20年:その融合と発展」。ンゴジ・オコンジョ=イウェアラ氏は、「一部のWTO加盟国は、進行中の交渉および公正競争分野と紛争解決機能の回復において、中国がWTOの改革にもっと貢献できると考えている」と指摘した。
中国のWTO常駐代表である李成剛氏は、「中国はWTO加盟後、商品とサービスの市場を大幅に開放してきた。製品の現行関税率は平均14.8%から7.4%に下がり、WTO加盟時の約束を下回る。サービス貿易の分野で、中国は加盟時の合意より20分野も多い120分野近くを開放している。改革開放は、中国の発展の根底にある原動力だ。中国はこの20年間で、世界第6位から第2位の経済大国に成長した。GDPは11倍増加し、約15兆米ドルに達した」と述べた。
李成剛氏は「WTOが近年、内外の試練に直面するなか、中国は今後も多国間貿易体制の揺るぎない支持者であり続ける」と指摘。また、「近く開かれる第12回WTO閣僚会議では、漁業補助金や新型コロナ感染症への対応など、いくつかの重要な分野で有意義な成果が得られるよう期待する」と表明した。
WTO元事務局長で、中国のWTO加盟時に欧州委員会貿易担当を務めたパスカル・ラミー氏は、中国の加盟はWTOと多国間貿易体制にとって「決定的瞬間」だったと指摘し、「中国の過去20年間に渡るWTOへのコミットメントと参画は評価に値し、中国はこれからもっと多くのことをできるはずだ」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2021年12月19日