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japanese.china.org.cn |19. 01. 2022

〈中国都市総合発展指標2020〉から見た中国都市のパフォーマンス 趙啓正、楊偉民、周其仁、邱暁華、周南、周牧之によるレビュー

タグ: 都市
中国網日本語版  |  2022-01-19


(3)海運輸送はプラス成長


新型コロナパンデミックの影響でサプライチェーンと海運は世界的に大きな混乱を生じ、現在に至ってなお収まってはいない。そうした中、2020年中国のコンテナ取扱量は1.2%成長を実現した。


2020年の中国港湾コンテナ取扱量の上位10都市は順に、上海、寧波、深圳、広州、青島、天津、廈門、蘇州、営口、大連となり、この中で唯一、大連はマイナス成長に陥った。中国大多数の港湾都市でのコンテナ取扱量のプラス成長は、その背後の製造業輸出力の強靭ぶりをうかがわせる。


中国の港湾コンテナ取扱量に占める上位10都市の割合は70.8%、さらに同上位30都市の割合は92.6%にも達した。中国のコンテナ輸送が特定の港湾都市に高度に集中していることが浮き彫りになった。

 

(4)輸出は急回復


貿易摩擦や新型コロナパンデミックは、中国の輸出産業に大きな打撃を与え、2020年前半には輸出額が落ち込んだ。しかし後半には力強い回復を見せ、輸出額は前年比4%増を実現した。


〈中国都市総合発展指標2020〉で見た「中国都市製造業輻射力2020」ランキングの上位10都市は、深圳、蘇州、東莞、上海、寧波、仏山、成都、広州、無錫、杭州となった。この10都市のうち、蘇州、東莞、無錫の3都市の輸出額が若干マイナス成長だったのに対して、その他の都市は輸出増を実現した。これら製造業スーパーシティの輸出力の強靭さが際立った。


製造業輻射力の上位10都市は、中国の輸出額の44.2%を占めた。上位30都市の同シェアはさらに71.7%にも達した。中国の輸出産業はこれら製造業スーパーシティに高度に集中していることがわかる。

 

(5)IT産業の集中がさらに進む


2020年は、IT業界にとって大発展の年であった。デジタル感染症対策、在宅勤務、オンライン授業、遠隔医療、オンライン会議、オンラインショッピングなどが当たり前になり、新型コロナウイルス禍で産業や生活のあらゆる分野におけるデジタル化が一気に進んだ。


〈中国都市総合発展指標2020〉で見た「中国都市IT産業輻射力2020」ランキングの上位10都市は、北京、上海、深圳、杭州、広州、成都、南京、福州、武漢、廈門となっている。これらの10都市は、中国のIT業就業者数の56.7%、メインボード(香港、上海、深圳)上場IT企業数の80.4%、中小企業版上場IT企業数の63.9%、創業版上場IT企業数の76.2%を占めている。中国のIT産業はこれら中心都市への集中がさらに進んだ。

 

(6)殆どの都市が経済成長を実現


2020年、世界の主要国がマイナス経済成長に陥ったにもかかわらず、中国はゼロ・コロナ政策により2.3%の経済成長を遂げた。


2020年の中国GDPの上位10都市は順に、上海、北京、深圳、広州、重慶、蘇州、成都、杭州、武漢、南京となった。上位10都市は、中国GDP23.3%を占めた。同上位30都市のシェアはさらに43%に達した。中国経済の上位都市への集中が鮮明になった。


上位30都市のうち武漢だけが4.7%成長であったが他の都市はすべてプラス成長を実現した。中国主要都市の強靭さが中国経済成長を支えた。

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