RCEP地域発展メディア・シンクタンク円卓フォーラムが23日、開催された。中国国際問題研究院元院長、太平洋経済協力理事会元ダブル主席の蘇格氏はその席上、「RCEPの全面的な経済協力の促進については、事前に計画を立てる必要がある。『2つの大局』からRCEPを見据えるべきだ。RCEPの枠組みと制度は、コロナ後の地域経済の回復に全面的な推進力を注ぐ見通しだ。世界経済の発展の方向を把握し、コロナ後を着眼点とし先手を打ち、アジア太平洋地域の協力を全面的に促進すべきだ」と指摘した。蘇氏の発言内容は下記の通り。
世界は百年に一度の大変動を迎えている。RCEPの構築は、グローバル化と多極化という歴史の大きな流れに乗っており、世界経済の構造調整・変化の現れであり、グローバル・ガバナンス及びルール調整の実践でもある。中国は東アジア地域包括的経済連携(RCEP)協定に加わると同時に、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入を積極的に考慮し、改革と対外開放の掘り下げを続けている。これは中華民族の偉大なる復興戦略の全局面及び歴史の方向に合致する。
コロナ後において、RCEPの構築は象徴的な出来事であり、その正式な発効には積極的な効果がある。
(一)RCEPがアジア太平洋経済に歴史的な新チャンスをもたらし、かつ世界経済及び地域経済の新たなチャンスをもたらし、新たな原動力を注ぐ。中国税関総署の統計によると、RCEP発効初日だけでも中国の輸出企業が500件以上の原産地証書及び原産地声明を申請・取得した。全国の税関は協定内の価値にして2億元を超える輸出入貨物を検査し、通過させた。
(二)物品貿易について、RCEP発効後、各構成国の物品貿易の関税撤廃率が9割以上にのぼる。投資先について、RCEPの各構成国は非サービス業投資に対してネガティブリスト方式で高品質の約束をすると同時に、実行可能な措置により投資保護を強化した。RCEPはさらに地域のサービス貿易や電子商取引などに新たなチャンスをもたらす。当然ながら地域の各構成国は新たなチャンスを手にすると同時に、新たな課題を迎え、これに対応するための準備が必要だ。
(三)RCEPは国際ルールの制定と実施をさらに強化する。RCEPは地域内の経済要素の自由な流動を促し、構成国間の生産・分業の協力を安定的にし、強化する。RCEPの「原産地累積規則」によると、各構成国とグローバル企業は関税撤廃を受けるため、地域内での生産に傾く。これは地域内の生産チェーン及びバリューチェーンの再構築を強化し、多国間協力の円滑性、経済の持続可能な発展を促進する。RCEPはさらに新たな理念と新たな技術により税関の円滑化を促す。これは二国間貿易のコストを直接減らし、越境物流発展と新たな経済構造の形成を促す。
(四)RCEPの発効は、中国による新たな発展構造の構築を力強く支える。RCEPの人口は現在23億人(世界の約29.7%)で、経済規模は25兆ドルを超える。中国の経済規模はその6割弱を占める。中国の貿易額全体に占めるRCEP構成国との貿易額の割合は3分の1ほど。中国の第14次五カ年計画には自由貿易区向上戦略が含まれるが、RCEPの発効は意義重大で、同戦略の実施成功の初のマイルストーンとして見ることができる。
(五)RCEPの施行は、中国とASEANの経済成長に新たな原動力を注ぐ。中国はこれまでもASEANとの友好協力関係を、周辺外交の優先的な方向としてきた。中国とASEANの協力は30年に渡り重大な成果を手にしたが、これは双方が地理的に近く、人文相通じるという恵まれた条件のおかげだ。「一帯一路」イニシアチブとRCEPの重複地域が主にASEANであることから、中国はASEANを一帯一路高品質共同建設の重要な協力パートナーと見ている。中国とASEANには14億人、6億人超の大きな市場がある。中国とASEANは2010年に全面的に自由貿易区を設立した。RCEPは現在、世界で成長の潜在力が最も高い2つの市場をしっかり結びつけた。これは中国とASEANの産業チェーン及びサプライチェーンのさらなる連結と拡大、双方向の投資協力の掘り下げと力強い発展を促進する。
RCEPの正式な発効は、アジア太平洋地域に平和的発展、協力とウィンウィンの自信をもたらした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年1月25日