中国西部の奥地では、北はシルクロード経済ベルト、南は21世紀の海上シルクロードに接し、長江経済ベルトに連なる交通の大動脈「西部陸海新ルート」が活気付いている。このルートが開通したことで、ASEAN諸国から輸入した果物や米、生鮮食品を中国のスーパーマーケットの店頭に迅速に並べることができるようになっただけでなく、中国西部で製造した自動車や部品などを東南アジア市場に早急に輸出することもできるようになった。この陸海新ルートは単なる物流ルートではなく、中国とASEAN間の貿易を促進する経済回廊でもある。
近年、陸海新ルートを建設するための新たな仕組みや施策が次々に打ち出されている。同ルートの計画や開発、地域協力を総合的に調整する「西部陸海新ルート物流・運営組織センター」のほか、ブランドや規則、運営の一元化を図る「陸海新ルート運営有限公司」が設立された。また、鉄道と海上の複合一貫輸送のための「単一契約制」を試験的に導入し、一契約で保険や決済までを含むフルサービスモデルが確立。このほか、中国初となる国境を越えた金融ブロックチェーン・プラットフォームで西部陸海新ルートの融資・決済アプリのサービス提供が開始され、運用1年で物流企業向けの融資額は10億ドルを上回った。こうした革新的な施策が次々に打ち出されたことで、中国西部を開放する動きが加速している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月20日