韓国京畿大学の劉子陽教授は新華社の書面インタビューに対してこのほど、「1月1日に正式に発効した地域的な包括的経済連携協定(RCEP)は、地域経済の一体化を加速させ、アジア太平洋地域の成長と世界経済の回復を後押しする新しいエンジンになる見通しだ」と述べた。
劉子陽氏は、「RCEPが正式に発効し、世界最大の自由貿易区が正式に始動した。域内の総人口・経済規模・貿易額合計はいずれも世界全体の約30%を占める。協定発効後は、承認された加盟国間の貨物貿易の90%以上が最終的にゼロ関税となり、加盟国間の関税基準や非関税障壁が大幅に引き下げられる予定だが、これが域内の経済要素の流動性向上や、貿易・投資の自由化・円滑化の促進、加盟国間の貿易活発化につながる見通しだ」と語る。
同氏はまた、「RCEPはアジア太平洋地域の経済・貿易・投資分野の協力枠組みとメカニズムの構築をさらに促進し、加盟国の開放レベルを徐々に引き上げ、地域の経済貿易関係をより深く発展させるものだ」と指摘。これを踏まえ、「新型コロナが大流行し、反グローバル化と保護主義が台頭するなか、RCEPの発効は地域と世界の貿易をめぐるマインドを押し上げ、地域の産業チェーンの融合を促進、自由貿易と多国間メカニズムの防衛に活力を与える」とした。
韓国とのRCEP発効は2月1日となる予定だ。劉子陽氏は、「RCEPの発効は中日韓FTA交渉の前進に向け強固な基礎となり、関連協議の加速が期待される」と述べた。
劉子陽氏はまた、「RCEPの実施を通じて、中国は他の加盟国に対してさらに市場を開放し、これが他の加盟国の対中輸出を力強く後押しする見通しだ」と語る。
同氏はこのほか、「RCEPが新規加盟国なかでも後発開発途上国の加盟を持続的に受け入れ、貿易ルールの高度化・改善や拡大・効率化を実現することで、アジア太平洋地域の経済融合が加速し、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の早期実現を後押しすることに期待する」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年2月6日