SWIFT(国際銀行間通信協会)がこのほど発表したデータによると、昨年12月の国際決済に占める人民元の割合は前月の2.14%から2.70%に上昇し、シェアで4位になった。2015年8月の中国銀行(中央銀行)による為替レート改革以降、国際決済に占める人民元のシェアが初めて円を上回った。
専門家と学者は、人民元と人民元建て資産の好調は、中国経済の高品質発展と関係していると述べた。人民元国際化は将来的に、人民元が国際舞台においてより重要な役割を演じるよう促す。
決済がますます活発に
SWIFTの報告によると、昨年12月の主要通貨の決済金額ランキングのトップ3は、米ドル(40.51%)、ユーロ(36.65%)、英ポンド(5.89%)だった。円は2.58%に下がり4位から5位に転落。シェアを見ると、人民元が国際決済に占める割合は11月の2.14%から12月の2.70%に上昇。金額を見ると、人民元決済金額は11月より34.6%増加した。同期の世界の通貨の決済金額全体は6.44%増だった。
光大銀行金融市場部マクロ研究員の周茂華氏は、国際決済における人民元のシェアのさらなる向上は、中国の好調な貿易、人民元建て資産による外資の持続的な流入の状況とほぼ一致するとの見方を示した。
周氏は、「国内の防疫情勢が好転し、経済全体が合理的な区間内で運行し、人民元国際化が着実に進められ、人民元レートが全体的に安定的に推移している。貿易において人民元を決済ツールとして使う各国の意欲が絶えず高まっている」と述べた。
周氏はさらに、「人民元の世界外貨準備高に占める割合が近年、着実に上昇している。これは世界の中央銀行の人民元建て資産への注目を反映している。将来的に人民元レートは基本的な安定を保ち、人民元建て資産の安全性とリスク回避の属性がさらに強まる。人民元の世界外貨準備高に占めるシェアには、大きな上昇の余地がある」と続けた。