地政学的な影響により、国際エネルギー価格の高止まりが続き、打開の見通しが立っていない。国際原油価格は現在、最高ですでに2008年のリーマン・ショック前の過去最高に近づいている。

　世界の「大口商品の王」である原油価格の急騰は、川下の商品のコスト激増を直接けん引する。

　証券日報•e公司の記者がこのほど、化学工業などの企業とアナリストを取材したところ、原油価格の高騰に伴い川下の原材料調達コストが大幅に拡大していることが分かった。一部の商品の価格上昇はコストの圧力を相殺できるかもしれないが、原油高騰のボーナスのすべてを川下に届けるのは困難だ。原油価格の高止まりは世界経済に物価上昇の圧力をもたらすが、高止まりが長引くことはないと分析されている。

　関連企業は現在、生産・経営状況の面で大きな影響を受けている。山東省淄博市の大型化学工業企業の責任者である張氏は、「原油価格上昇は石油化学及び川下の石油化学業界に大きな影響を及ぼしている。特に国際原油価格の上昇は関連する原材料の価格上昇をけん引しており、現地の化学工業企業の生産コストに大きな圧力をもたらしている」と述べた。

　原油価格上昇を受け、企業も積極的にさまざまな対策を講じている。

　張氏は、「当社はこれまでの原材料調達により一定の在庫を確保している。今後も高止まりが続くならばこの在庫を使う。また当社は、ブタジエンやクラッキングC4など組成成分の価格によって生産能力を動的に調整している。現在は利益の最大化を目標としている」と述べた。

　しかし原油価格の高騰を受け、石炭を原材料とする石炭化学工業が一定のコスト競争力を示している。記者の取材によると、多くの石炭化学工業企業が、現在の原油価格上昇の生産・経営への影響は今のところ顕著ではないが注視を続けると表明した。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2022年3月11日