世界銀行はかつて、中国が「主要経済体のうち過去最もスムーズな持続的成長」を実現したと表明した。中国は現在世界2位の経済体で、2030年には米国を抜く見込みだ。米ビジネス誌「Fast Company」(電子版)が伝えた。
グローバル企業、特にテック企業は中国市場に注目するべきだ。上述した理由のほか、これには次の2つの理由がある。
(一)成長を続ける顧客市場。中国は急成長する消費者市場だ。今や世界の3分の1超の中所得者が中国に居住している。
筆者は中国にある工場で、自らの目でそれを確認した。工場の多くの従業員は長期的な視野を持っており、5−8年前に東莞市で住宅を購入していた。今や住宅価格がうなぎのぼりで、彼らは早期投資の利益を手にした。東莞の住宅価格は2020年だけでも29%も高騰した。2021年には多くのテック企業がこの大湾区都市に殺到した。
中国人は高い消費能力を持っている。ゴールドマン・サックスは2013年に、中国が7つの商品分類において、大きな消費の需要を持つと予想した。その一つが贅沢品だ。中国は2019年に世界の贅沢品販売の11%を占めた。新型コロナウイルスが世界経済に衝撃を及ぼしたが、中国の贅沢品の需要は減らず、むしろ急増した。中国は2020年に世界の贅沢品販売量の20%を占め、オンライン贅沢品販売量が150%増加した。
(二)社会が新技術をスムーズに受け入れる。オンラインの贅沢品販売量の増加は、中国のインターネットの普及を反映したとみられる。しかしこれは中国のスムーズなデジタル化の氷山の一角に過ぎない。
筆者は昨年、中国に8カ月滞在したが、周囲のほぼすべてが自動化されていることに驚かされた。スーパーのレジ、ほぼすべてのモノを購入し決済できるデジタルウォレットなど、中国社会の至る所に新技術の導入が見られる。さらには路傍の手押し車で野菜を売る人もデジタル決済を受け入れる。先ほど開かれた北京冬季五輪の開会式において、60%のコンテンツに5G、IoT、AIなどの先端技術が導入された。
これは企業にとって何を意味するだろうか。これほど科学技術の進歩を受け入れたがる社会、科学技術革新の高い意識を持つ国において、科学技術もしくはベンチャー企業、さらには関連する業界の企業は、中国の科学技術の急成長を支えることで(その後、社会に受け入れられ使用されることで)、大きな利益を手にすることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年4月7日