「上海の各金融機関は3月以降、731社の感染対策物資供給保証企業と物流企業に335億元の融資を行っている。飲食、小売、観光、運輸などの感染症の影響を受ける1万社超の企業に723億元の融資を行っている」中国人民銀行上海本部党委委員の余文建氏は、8日の上海市新型コロナウイルス感染対策会見にて、零細企業などの経営難に陥っている市場主体を対象とする最近の金融支援の状況について説明した。

　余氏はまた、「個人の支援について、中国人民銀行は新型コロナウイルスに感染し入院治療もしくは隔離を受けている人員、感染対策として隔離観察が必要な人員、感染対策に参加する人員について、感染症の影響による滞納は滞納として記録しないと明確に要求した。感染症の影響を受け一時的に収入源を失った個人については、調整後の返済計画に基づき信用記録をつける。すでに記録されたものについては、信用是正手続きに基づき調整する」と述べた。

　銀行保険監督管理委員会上海監管局の党委委員で副局長の曹光群氏は、一部の企業と市民による融資拡大とコスト削減の需要に基づき、融資を極力行うよう求めると表明した。今年第1四半期末現在、上海市の主要大・中型中国系銀行の包摂融資残高は前年同期比30％増の6400億元超にのぼっている。上海包摂型零細企業への貸出金利は約4.96％で、全国で最も低い地域の一つとなっている。

　一部の企業及び市民の「返済難」「継続融資難」の現状について、継続融資を極力行なうよう求める。上海市中国系商業銀行は今年第1四半期、元本返済据え置きの継続融資、期日を柔軟に調整できる借入と返済といった手段により、シームレスな継続融資を計1992億元提供した。うち元本返済据え置きの継続融資は前年同期比109％増。経営難の企業に対する返済猶予は81億元超で、計2万件超の個人住宅ローンに返済猶予サービスを提供した。

　また各金融市場も直接資金調達ルートの力を積極的に発揮している。グリーンルートの開設、手数料の減免、オンライン受理などにより企業を支援している。

「中国網日本語版（チャイナネット）」2022年5月9日