四川省成都市智算センターが設立され、内蒙古自治区黄河流域生態算力センターが着工した。今年2月の「東数西算」プロジェクトの全面開始から4カ月で、一連のデータセンタープロジェクトが着工または運営を開始し、全国で演算能力の「ネットワーク」形成が加速している。
デジタル経済時代において、演算能力はコア生産力であり、農業時代の水利や工業時代の電力に類似している。現在、社会全体で演算能力に対する需要が高まっている。しかし現実は、中国のデータセンターの大部分が東部地区に分布し、土地やエネルギーなどの資源の緊迫化により、東部でデータセンターの大規模発展を続けることは難しくなっている。一方、中国西部地区は資源に余裕があり、特に再生可能エネルギーが豊富で、データセンターの発展や東部の演算能力ニーズを担う潜在力を備えている。つまり、中国の演算能力資源の分布は「東部は不足、西部は過剰」という不均衡な状態にある。こうして、「東数西算」が現れた。
今年2月、国家発展改革委員会などの部門は共同で通知を出し、北京・天津・河北、長江デルタ、粤港澳大湾区、成都・重慶、内蒙古、貴州、甘粛、寧夏など多くの地域に国家演算能力ターミナルスポットを建設し、10の国家データセンタークラスタを形成することに同意した。これにより、全国一体化ビッグデータセンターの全体計画が完成し、「東数西算」プロジェクトが全面始動した。
「東数西算」プロジェクトの「数」はデータ、「算」はデータ処理能力を指す。中国情報通信研究院クラウドコンピュータ・ビッグデータ研究所の何宝宏所長は、「南水北調」「西電東送」「西気東輸」と同じく、「東数西算」も国の重要戦略プロジェクトだと考える。「東数西算」を通し、中国はデータセンター資源をシステム的かつ合理的に配置することで、全国のデータセンターの一体化発展を実現できるという。
大量の代表的応用が実現
「東数西算」プロジェクトの全面始動は、大量の代表的応用の実現を後押しした。
貴州省は世界的に見て超大型ビッグデータセンターが多い地域の1つで、デジタル経済の対GDP比は34%に達する。「東数西算」プロジェクトの波に乗り、華為、騰訊、中国移動などのデータセンターが貴州省に設立され、多くの新たな応用シーンが生まれた。
5月10日、四川省成都市智算センターが設立された。成都智算センターの機械室にはサーバーが並び、高速で作業している。設立日、成都智算センターに12社の業界トップ企業が入り、演算能力利用率は90%に達し、設立当初からの「満杯運営」を実現した。
中国科学院計算技術研究所の張雲泉研究員は、将来、電気ソケットのような「演算ソケット」が登場し、電気を購入するように料金を支払えばどこでも演算サービスを便利に購入できるようになり、発電所のような「演算工場」や送電網のような「演算網」ができ、セットプランで演算サービスを購入できるようになる可能性もあると話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年6月21日