米国人女性のチャーリー・ダミリオさん(15)が2019年7月、ダンスのレッスンに向かう途中にTikTokで短編動画を投稿した。レッスン終了後に携帯電話を見ると、フォロワーが2000人増えていた。彼女のTikTokアカウントのフォロワー数は数カ月後、500万人に増加した。この女性はあっという間に世界的なスターになった。独紙「BERLINER TAGESZEITUNG」が伝えた。
TikTokはZ世代のドリームファクトリーだ。この流行中のSNSアプリは現在、10億人のユーザーを擁する。これに原動力を提供するエンジンは、高性能AIだ。動画配信サービスのNetflixの推薦エンジンのように、アルゴリズムがユーザーの興味に合わせた動画を再生する。アルゴリズムの具体的な活動の原理は、同アプリを提供する中国の親会社、バイトダンスの商業機密だ。
中国は長期的に、西側の作業場とされてきた。しかし今や中国は自動車や携帯電話を組み立てるだけではない。最も流行しているアプリはシリコンバレーではなく、中国発だ。中国政府は2030年までにAI世界市場のリーダーになるという野心的な目標を掲げた。これに向け中国は現在、多くの研究開発センターに巨額の資金を投じている。月上陸の競争のようだ。この競争は誰が最良のアプリを開発するかだけでなく、誰が社会の「ゲームルール」を作るかと関わる。技術基準のほか、誰が道徳及び倫理の基準を作るかということも含まれる。
アナリストは、中国が早ければ2025年に米国より多くのデータを産出すると予想した。グーグルのエリック・シュミット前CEOは、中国がすぐに米国に代わる「AIスーパー大国」になる可能性があると述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年6月23日