中国本土と香港地区の株式市場相互取引メカニズムでETFの取引が7月4日に開始された。これは中国の金融市場が対外開放をさらに拡大する大きな合図となる。
中国人民銀行(中央銀行)、香港証券先物委員会、香港金融管理局は同日、香港地区と中国本土の金利スワップ市場相互取引協力を進めることも発表した。
債券市場の制度型開放が進む中、ETFが相互取引の対象になったことで、域内ETFの資金源が広がるだけでなく、域外の中長期資金をA株に呼び込む魅力も増すと期待される。
香港取引所のニコラス・アグジンCEOは相互取引の開始セレモニーで「世界は10年に一度の変革期にあり、中国は『金融大発展』の中心にいる。ETFの相互取引が目指すメカニズムの刷新は双方向の資本流動を促進する重要なツールの一つだ。国際投資家は中国本土のETF市場に対する投資を大幅に増やす機会を得る一方、中国本土の投資家も効率的で透明かつ柔軟な投資ツールのETFを利用する機会が増え、資産配分の多元化が可能となる」と話した。
相互取引メカニズムの第一弾に選ばれた87本のETFのうち83本がA株ETF、4本が香港株ETFになるという。業界関係者は、ETFが相互取引の対象となれば、域外投資家の中国資本市場に対する長期的な期待を高め、A株には1000億元の資金が流入すると予測した。
中国証券監督管理委員会は近年、中国本土と香港地区の金融市場とインフラの相互取引を段階的に進め、2014年11月17日に「滬港通(上海・香港ストックコネクト)」、2016年12月5日に「深港通(深圳・香港ストックコネクト)」のメカニズムを立ち上げ、越境投資の新モデルを確立した。