今年下半期の中国経済はどうなるだろうか。中共中央政治局が答えを出した。同局は7月28日に会議を開き、目下の経済情勢を分析・研究し、下半期の経済活動計画を策定した。中国新聞網が伝えた。
「最良の結果を実現するよう努力する」、「マクロ政策が需要拡大において積極的な取り組みが必要だ」、「住宅の引き渡しを保証し、民生を安定させる」、「プラットフォーム経済に対し常態化した監督管理を実施する」、「国有企業が積極的に行動し、民間企業が積極的に突き進み、外資系企業が積極的に投資を行うようにする」。今回の重要会議は下半期の経済活動の方向性を明らかに指し示し、要求を打ち出し、重要な5つのシグナルを発した。
1、「最良の結果を実現するよう努力する」
2022年の中国経済成長率目標は5.5%前後だが、新型コロナウイルス感染症などの要因による予想外の影響を受けて、第1四半期(1-3月)の経済成長率は4.8%、上半期は2.5%となった。下半期の経済活動の目標をどのように定めたらよいか。
同会議では、経済運営を合理的な範囲で維持し、最良の結果を実現するよう努力することが強調された。また経済規模の大きな省(区・市)が中心的役割を果たし、条件を満たした省(区・市)が経済社会発展で期待された目標を達成するよう努力しなければならないと要求された。
中国社会科学院マクロ経済シンクタンク研究室の馮煦明室長は、「これは地方政府に『指揮棒』を授けたのに相当する。下半期はできる限り努力して発展を促進し、条件を整えて通年の高めで合理的な成長率を実現しなければならない」と分析した。
馮氏の見方によると、下半期の第一の任務は経済成長が潜在的成長率の水準に回帰するようできる限り確保すること、さらには潜在的成長率をやや上回るようできる限り確保すること、そしてこれを基礎として上半期に感染症の打撃で生じた損失や不足分をできる限り補填することだ。通年では、国内総生産(GDP)の実質成長率は大まかに言って「4を維持し5を目指す」と概括できるという。
2、「マクロ政策が需要拡大において積極的な取り組みが必要だ」
同会議では、マクロ政策は需要拡大における積極的な取り組みが必要であることが強調された。財政金融政策が社会のニーズの不足を効果的に補う必要があることも強調された。
馮氏によると、目下のマクロ経済が直面する問題は主に総需要の不足であり、一方では企業の投資の原動力があまり強くなく、他方では住民に関わる面では消費力も消費意欲も短期的な制約を受けており、この状況の中、政府当局は需要を拡大し、不足分を補填し、さらには企業の投資をより多く牽引すると同時に、公共財の提供を増やすことによって、住民に関わる消費を牽引しなければならないという。
3、「住宅の引き渡しを保証し、民生を安定させる」
同会議では、不動産市場を安定させ、住宅は住むためのものであり、投機のためのものではないとの位置づけを堅持し、都市ごとの実情に合わせた施策では政策のツールボックスを十分にしっかりと活用し、硬直的な住宅ニーズと住み替えの住宅ニーズを支援し、地方政府の責任を押し固め、住宅の引き渡しを保証し、民生を安定させなければならないと指摘された。
易居研究院シンクタンクセンターの厳躍進研究ディレクターの見方によると、「不動産市場を安定させる」という表現が「住宅は住むためのものであり、投機のためのものではない」の前に来ることには、非常に強固な指導的意義がある。各地は下半期に不動産の安定に影響する要因を取り除き、不動産市場の健全な発展を促進しなければならないという。
馮氏は、「下半期の重要な点は、不動産を安定させ、不動産市場が常態化した発展に回帰するのをできるだけ速く後押しし、それが引き続きマクロ経済と予測の足手まといにならないようにするという点だ」と述べた。
4、「プラットフォーム経済に対し常態化した監督管理を実施する」
同会議では、プラットフォーム経済の規範化されて健全で持続的な発展を推進し、プラットフォーム経済に対して特定項目の是正を遂行し、プラットフォーム経済に対し常態化した監督管理を実施して、「青信号」の投資案件を集中的に打ち出さなければならないと指摘された。
馮氏によると、大規模なインターネットをはじめとするプラットフォーム経済の分野は過去20年間に高度成長を達成したが、一部の関連制度はまだ追いついていないため、過去2年間の監督管理措置の一層の強化は、非常に必要なことだった。この2年間の常態化していない監督管理を経た後に、監督管理の理念と政策は徐々に整備された。常態化した監督管理の段階に入った後には、発展と監督管理との関係がよりバランスの取れたものになり、監督管理政策が安定と透明化に向かい、法律制定と制度建設が加速するだろう。こうしたことはすべてマーケットエンティティの期待の誘導と安定にプラスであり、積極的なシグナルだという。
「青信号」の投資案件を集中的に打ち出さなければならないのはなぜか。馮氏は、「一部のプラス方向の案件を通じて、今後どの分野が発展のポテンシャルが高く、政策によってマーケットエンティティの参入を奨励するか、より直感的に市場に向けてシグナルを発しなければならない。1万の理論もただ1つの案件に及ばず、多くの場合に1つのよい案件が、マーケットエンティティの期待と信頼感を誘導する上でより役に立つ」と述べた。
5、「国有企業が積極的に行動し、民間企業が積極的に突き進み、外資系企業が積極的に投資を行うようにする」
同会議では、企業と企業家の主導権を発揮させ、優れた政策的・制度的環境を創出し、国有企業が積極的に行動し、民間企業が積極的に突き進み、外資系企業が積極的に投資を行うようにしなければならないと要求された。
馮氏の見方によると、これは実はマーケットエンティティの重要性を繰り返し強調しているもので、目下の三重の圧力の下でマーケットエンティティの期待が弱まる局面はまだ根本的な転換を迎えておらず、一部の企業主体の投資意欲はまだそれほど高くはないが、マーケットエンティティは現在の経済発展における最も重要な細胞であり、「3つの積極的」にもマーケットエンティティの経済発展における主導権をさらに活性化し、マーケットエンティティの期待をさらに安定させ鼓舞したいとの中央政府の期待が体現されているという。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年7月30日