中国人民銀行(中央銀行)デジタル通貨研究所の穆長春所長は7月24日、福建省福州市で開催された第5回デジタル中国建設サミットデジタル人民元産業発展サブフォーラムで発言した。その中で、デジタル人民元が利用者のプライバシーを侵害するのではないかとの懸念について、「デジタル人民元は人民銀行が発行する法定デジタル通貨であり、プライバシーと個人情報の保護を十分に尊重し、またこれらを基礎としてリスクを着実に防止して、不法者に利用されないようにする。デジタル人民元のコントロールが可能な匿名は、人々により優れた体験感とより高い安全性を持った決済サービスを提供する上で積極的な役割を果たす」と述べた。
穆氏によると、コントロールが可能な匿名というのはデジタル人民元の重要な特徴であり、一方では流通における流通現金(M0)の位置づけを体現し、人々の匿名での取引と個人情報保護に対する合理的なニーズを保障する。他方ではマネーロンダリング(資金洗浄)、テロ資金供与、脱税などの違法行為を予防・摘発し、金融の安全性に対する客観的なニーズを保護するという。
穆氏は、「消費者のプライバシーを保護するには3つの取り組みが必要だ。第1に日常的な少額の現金決済の習慣に合わせ、関連の決済取引の機密性を確保すべきだ。第2に匿名の対象を明確にし、消費者がデジタル人民元を使用して取引を行う時に、その個人情報が業者やその他の法的権限を授与されていない第三者に取得されないように保証すべきだ。第3に個人情報の利用と保護を強化し、運営機関が収集した顧客の基本情報、発生した取引と消費行動の情報が漏洩しないように保証すべきだ」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月3日