バイデン米大統領はこのほど、米国の半導体業界の発展支援に500億ドル超を提供する「CHIPS及び科学法案」に署名し、注目を集めた。これには主に政府補助金と税額控除が含まれ、企業の米国での工場建設を奨励する。環球時報が伝えた。(筆者・朱帥 著名IT活動家)
他にも米国は最近、「半導体クアッド」の構築に向け積極的に準備を進め、さらに18の経済体を率い「Supply Chain Ministerial Forum 2022」を開催した。これは「サプライチェーン小グループ」の構築を意図したものだ。米国の一連の動きは、米国を中心とする半導体生産及びサプライチェーン連盟を構築し、高基準のハードルを設定し、いわゆる「国際新体制」を作る狙いがある。中国のサプライチェーン構造の網状の伝導形式を鑑み、米国がもたらす破壊的な影響に警戒が必要だ。
米国の半導体生産及びサプライチェーン連盟をめぐるさまざまな動きについては、次の3点で対応できる。
(一)地域的な包括的経済連携協定(RCEP)の枠組み内で、中国・ASEAN・北東アジアのサプライチェーンの地域内の協力を強化する。RCEPの原産地蓄積規則をフル活用し、全体的な経済協力制度が生み出すシナジー効果を利用し、相対的に安定した発展ビジョンに基づく投資・生産計画の合理的な設定を促進する。地域内で生産構造の調整・最適化・高度化を実現し、需給不足のサプライチェーンへの衝撃を弱める。また、RCEPの枠組み内で中日韓の貿易(半導体を含む)とサプライチェーンの統合を促す。RCEPの枠組み内のより広範な地域経済一体化建設を促し、より緊密でより強い地域サプライチェーン体制を構築する。
(二)「一帯一路」沿線諸国と地域間のサプライチェーンの閉ループの形成を促す。「六廊六路多国多港」という空間配置を枠組みとし、一帯一路イニシアチブに基づくサプライチェーンの地理的な再構築を促す。沿線諸国及び地域間の産業間及び産業内の関係性を強める。中国の技術及び資源の強みを活かし、直接投資、生産ライセンス譲渡、特許技術ライセンス譲渡、国際分業などの手段により、沿線諸国及び地域に技術を譲渡する。アジア太平洋自由貿易区の建設を促す中で、地域サプライチェーンの閉ループを形成する。
(三)グローバルガバナンスに積極的に加わり、先頭に立ちサプライチェーンの国際新規則を作る。まず、世界を見据える高基準自由貿易区ネットワークを積極的に構築し、自由貿易港及び自由貿易試験区の制度革新機能を発揮し、世界の高水準の対外開放経済・貿易基準に積極的に合わせ、要素の地域内における自主的かつ秩序ある流動を促す。次に、環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)及びデジタル経済パートナーシップ協定(DEPA)への加入を促し、その越境サプライチェーンガバナンス規則の交渉と改革に積極的に加わる。それから、世界のサプライチェーンの規則制定に積極的に加わり、先頭に立ち全産業チェーンをカバーする広い範囲の規則体系を作り、世界のサプライチェーンの安全と安定を守る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年8月11日