新型コロナウイルスの米国経済への影響が徐々に顕在化している。最新データによると、新型コロナにより失われた米国の労働力は数百万人にのぼる。また新型コロナによる失業に伴う収入減や医療費の負担増などが、米国経済の深刻な損失を生んでいる。米国の放置主義により大量の感染者が発生し、持続的な感染拡大により困窮者がさらに増え、米国経済への影響がさらに広がると分析されている。
米シンクタンクのブルッキングス研究所はこのほど発表した分析報告書の中で、「新型コロナの影響を受ける約1600万人の生産年齢人口のうち、200-400万人の労働力が失われている。中間値で計算するならば、これは米国の労働力人口の1.8%にあたる」とした。
ハーバード大学のデビッド・カトラー教授(応用経済学)は別の方法で類似する結論を導き出し、米国人の約350万人が感染症により失業したと見積もった。
過去1年以上に渡り米国の労働市場では需要に供給が追いついていなかったが、数百万人の労働力が失われたことで人材不足がさらに深刻化したと分析されている。ブルッキングス研究所の分析によると、労働力不足の一部の原因は感染症であり、その米国経済への直接的・間接的影響を無視できないという。
カトラー氏は、350万人が感染症により失業した場合、これによる5年間の賃金の損失は約1兆ドル(毎年2000億ドル)にのぼると計算した。収入の損失の他にも、感染症により健康水準が下がり、医療費の負担が拡大した。この3点による総コストは約3兆7000億ドル。すべての米国人がこれを負担するならば、1人当たり1万1000ドルになる。
カトラー氏は、7月下旬現在も少なくとも960万人が新型コロナ関連の症状に苦しめられていると指摘した。そのため米国は政策による対応が必要であり、検査・治療・抑制への支出は米国社会にコストをはるかに上回るメリットをもたらすという。
米国人の感染症への注目度が大幅に低下しており、バイデン米大統領もパンデミックは終わったと述べたが、米国では感染拡大が続いており、感染者数が増え続けている。これは感染症によって苦しめられる人が持続的に増加しており、それに伴う経済の影響も拡大することを意味する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2022年10月3日