ブルームバーグは10日、今後10年の中国経済について4つの状況を想定し、これまで予想されていた期間内に中国のGDPが米国を超えることは難しいとの基本的な結論を導き出した。中国のGDPがいつ米国を超えるかという推測は近年、西側メディアが最も興味を覚える話題の一つだが、独り言じみている場合が多い。自問自答し、自分で前言撤回し、内輪で論争を展開する。環球時報が伝えた。

　「中国のGDPが間もなく米国を超える」という驚きの声はまず米国から上がり、米国社会で広く懸念を引き起こした。今や米国は再び「時間操作」を行い、その時期を遅らせるか、さらには「中国のGDPは米国を超えられない」という予測を示している。奇妙なことに、これは米国の政治エリートの中国の急成長に対する緊張を和らげていない。中国は「大丈夫」と言うのは彼らで、中国は「駄目」と言うのも彼らだ。この話題は米国の一部の人物による心の迷いの現れだ。

　今日の中国の発展戦略は自己超越を繰り返すことを重視しており、米国やその他の国を超えることを目標としていない。一国のGDP成長率はとどのつまり国内の問題であり、多くの中国人は米国が中国のGDPになぜこれほどこだわるのかを理解できない。中国のGDPランキングの上昇は（将来的に米国を抜き世界一になるかを含め）、根本的に言えば自然な流れで決まる結果であり、中国人もこれにこだわっていない。

　GDPの規模のデータよりも、実務的な中国の一般人は自身の実際の生活水準が上がっているか、生活環境が改善されているか、発展のチャンスが増えているかなどを気にし、そのため日々努力と奮闘を重ねている。この広範な現実的かつ素朴な願いが中国人の勤勉と結びつき、国家政策のサポートを受け、中国の経済成長を促す巨大なエンジンになっている。中国の発展思想は人民中心であり、高品質の発展を強調する。つまり量ではなく質が重心だ。量ももちろん重要だが、単純にGDP成長率を競うわけにはいかない。中国の経済発展の平衡性・協調性・持続可能性が近年向上している。これは「質」のレベルアップであり、中国人が心を一つにし協力し、自ら取り組むことで手にした成績だ。

　さらに言えば、中国の発展は誰かを超え、誰かの座を奪うためであったことはなく、誰かと世界一を競うためであったこともない。これは自分との競争だ。現在の中国にとっては、ある大国と張り合うことよりも、不均衡で不十分な発展の問題の解消に取り組む方が遥かに重要だ。中国共産党第19回全国代表大会は社会主義現代化強国の全面的な完成に向け戦略的手配を行った。間もなく開幕する中国共産党第20回全国代表大会は社会主義現代化強国の全面的な完成の「2ステップ」戦略をマクロに展望し、かつ基礎固めと助長補短に取り組む。ここからは、自国の発展に専念する中国の態度が一貫しており、揺るぎないことを見て取れる。

　GDPが非常に重要な経済指標であり、自国が大体どの位置にいるかを把握し、これに基づき発展計画を立てられることは否定できない。しかしより重要なことは、GDPを一般人の達成感・幸福感・安心感に変えることだ。データ上は世界2位もしくは1位であっても、これは人々の生活の実感を示すものではなく、発展の最終目標でもない。中国人は自身の暮らしを良くしようとし、国際社会で受けるべき尊重を受けようとしてきた。他者をいじめようとしないが、他者も中国をいじめようとしてはならない。グローバル化の時代において、このような国は最高の互恵協力パートナーだ。

　GDPが中国に抜かれるという恐れは、米国の大きな気がかり、あるいは心の病になっている。中国の発展ペースを落とすため、米国は中国に対してデカップリングを仕掛けるなど、自国の損失も惜しまない。実際にはこのようにする必要はまったくない。中国のパイを大きくする取り組みは、自国の一般人に利益をもたらすだけでなく、米国を含む世界により多くの発展のチャンスをもたらす。執着心を捨てればこの気がかりは自ずと解消される。中国との協力・ウィンウィンの大きな潜在力を一目で見て取れるはずだ。

 　｢中国網日本語版(チャイナネット)｣2022年10月12日