世界知的所有権機関（WIPO）がこのほど発表した2022年版のグローバル・イノベーション・インデックス（GII）の報告書によると、中国の今年の総合ランキングは前年より1位上がり11位となった。2012年より23位上がった。

　多くの詳細指標でリード

　2022年版のトップ5はスイス、米国、スウェーデン、英国、オランダで、中国はトップ10まであと一歩となっている。その他の新興経済体が強い勢いを保ち、インドとトルコが初めてトップ40に入った。

　WIPOのダレン・タン事務局長は、「中国が得た成績は、国がイノベーションを成長のエンジンとし、強く重視した結果だ。中国は非常に全面的な手段でイノベーションのエコシステムを作った。これはイノベーション力を着実に高められる重要な理由の一つだ。世界は今後、イノベーションへの投資をさらに重視するだけでなく、投資をいかに経済・社会の影響力に変えるかを重視しなければならない。品質と価値のイノベーション力に対する重要性は数と規模に劣らない」と述べた。

　中国科学技術発展戦略研究院の張旭院長は、「この報告書によると、制度、インフラ、人的資源及び研究開発、市場の成熟度などの7つの評価指標において、中国は知識及び技術のアウトプットが最も優れており、世界6位につけている。中国のイノベーションアウトプットの各種指標は長期的に世界の先頭集団に入っている」と述べた。

　2022年版のGIIによると、中国は「読書・数学・科学PISA（OECD生徒の学習到達度調査）表」「国内市場の規模」「正式なトレーニングを提供する企業の割合」「単位GDPあたりの自国民の発明特許登録出願件数」「単位GDPあたりの自国民の実用新案登録出願件数」「労働生産量の成長」「単位GDPあたりの自国民の商標登録出願件数」「単位GDPあたりの自国民の工業意匠登録出願件数」「クリエイティブ製品の輸出額が貿易額に占める割合」の9つの詳細指標で世界一になっている。

　地域のイノベーションの成果が顕著

　2022年版のGIIによると、132の経済体のうち中国の世界トップ100入りしている科学技術クラスタの数は21で、2017年より14増加した。数で初めて米国に並び世界一になった。

　張氏は、「21の科学技術クラスタがトップ100に入ったことは、中国の地域のイノベーション発展の成果が顕著であることを意味する。中国は北京、上海、粤港澳大湾区を国際科学技術イノベーションセンターにするという戦略的な方針を掲げた。京津冀、長江デルタ、粤港澳大湾区などが協同イノベーション共同体を構築することを促し、成渝及び武漢などが全国的な影響力を持つ科学技術イノベーションセンターを建設することを支持し、東西部科学技術イノベーション協力を強化し、国家自主イノベーションモデルエリア及びハイテクエリアの建設を推進した。全国イノベーション高地の建設に顕著な成果があり、全面的で多層的な地域イノベーション構造を初歩的に形成した」と述べた。

　北京、上海、粤港澳大湾区の3大国際科学技術イノベーションセンターの優位性が顕著で、科学技術力で世界の先頭集団に入った。世界科学技術クラスタトップ100のうち、深セン・香港・広州が2位に、北京が3位に、上海・蘇州が6位につけた。これらの地域のPCT特許出願件数は世界の13％を、科学論文アウトプットは世界の7.7％を占めた。

　長江デルタ協同イノベーション共同体の建設が持続的に強化されている。南京は13位、杭州は14位、合肥は55位。成渝及び武漢の科学技術イノベーションセンターの取り組みが加速中だ。武漢は16位、成都は29位、重慶は49位。黄河流域主要都市クラスタの科学技術イノベーション力が絶えず向上している。西安は22位、済南は61位。

　注意すべきは、青島が34位に、鄭州が83位に、アモイが91位に浮上したことだ。蘭州は100位で初めてトップ100に入った。東北旧工業地帯のモデル転換が加速中で、ハルビン、長春、瀋陽、大連の4都市が世界科学技術クラスタトップ100に入った。

 ｢中国網日本語版(チャイナネット)｣2022年10月11日